スイーツや和菓子とも!? ウイスキーの意外なマリアージュ効果/ウイスキー1年目の教科書(4)

味覚、嗅覚を刺激して、互いの味を高め合うマリアージュ


ウイスキーは樽から出る溶出成分が多いので、個性が強いのと、基本的にはアルコール度数が高いせいもあり、なかなか食文化とは疎遠であったかと思います。現在でも多くの国、特にスコットランドやアイルランドでは「食前酒」や「食後酒」として楽しむ方が多いんですね。

しかし、日本はお酒、特にウイスキーに関しては独自の文化を歩んできたといえます。和食店では80年代、ブレンデッドウイスキーの水割りが流行りましたし、この10年では飲食店でハイボールがメニューにないところはないくらいです。ここではウイスキーとの相性抜群のおつまみや食べ物についてお話ししていきましょう。ウイスキーは味覚、嗅覚を刺激して食欲をそそり、互いの味を高め合うマリアージュ効果もあるのです。

まず、ウイスキーは大麦をはじめとした穀物が原料なので、同じ穀物原料の煎餅や団子などの食べ物とは基本的に相性が良いです。 スモーキーなウイスキーは、同じ煙で燻る燻製との相性も抜群です。また、発酵もウイスキーづくりの工程にありますから、発酵食品ともよく合います(味噌などがこれにあたります)。そうそう、チーズもよくバーで出てきますよね。アメリカのバーボンウイスキーなら、やっぱりワイルドなビーフジャーキーが合うでしょう。これがハムだとちょっと味が負けちゃうかもしれません。洋食に比べて薄い味わいの和食にはやはり水割りがよく合います。

ハイボールと唐揚げの組み合わせも飲食店では定番になっていますが、これは唐揚げの脂分をハイボールの酸味が洗い流してくれるから。 正確にはマリアージュではないのですが、これもウイスキーと食べ物の良い関係ですよね。

また、シングルモルトの持つテイスト(個性)を、いろいろな食べ物と合わせてみるのも面白いと思います。たとえば、白州はバーボン樽やホッグスヘッド樽といった比較的小さな樽を用いて熟成されたモルトウイスキーですから、スッキリした味わいの食材が合います。塩味との相性もいいですね。 一方、山崎はスパニッシュオーク樽で熟成された原酒が特徴的なフルーティな味わいのモルトウイスキーですから、食べ物もどっしりした味覚のものが合います。タレ系がいいでしょう。 ちょっと意外かもしれませんが、山崎は大福やあんこにとても合うんです。他にもシナモンのかかったものなどと一緒に飲むとすごくおいしいんですよ。

また、そのウイスキーのピートが効いているかどうかで、一緒に楽しむ食べ物も変わってきます。程良いピート感があるボウモアには、海沿いに蒸溜所があるという土地柄もあって、牡蠣などの海産物が非常に合います。

ウイスキーと相性のいいスイーツもありますよ。チョコレートはもちろん、アイスクリームもスパニッシュオーク樽由来のウイスキーになじみますし、濃厚な味わいのバニラアイスクリームは山崎などとも相性が良いのです。

とはいえ、楽しみ方にルールはありません。 今、ウイスキーはバーカウンターで静かに飲む…というだけではなく、あらゆるシーンで食べ物とのマリアージュを楽しむ時代です。とにかく自分でいろんな食べ物と組み合わせて、自分だけのお気に入りを発見しましょう。

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