【フレンズ出産体験記】2度の内診グリグリもしたけれど…! 一時帰宅で態勢立て直し!? <医師監修あり>
2023年1月に第一子を出産したかちょこさん。
計画分娩だったので予定日に誘発入院をしたものの痛みがほとんど強くならず、一時退院で帰宅することに。ご主人とゆったりと2日を過ごし、いざ再入院! 激しい陣痛の波を乗り越え、4000g超のベビーとご対面したかちょこさんの出産エピソードをご紹介します!
生まれる赤ちゃんの数だけある出産のエピソード。SNSで見たり、プレママ友やママ友から話を聞いたりしたとき、なんとなく気になることがあったりしませんか?
妊婦さんが少しでも快適なマタニティ生活を送れるよう、かちょこさんに今回の出産時の経験を共有していただき、女性医療クリニックLUNA横浜元町の副院長である小野寺真奈美先生に出産にまつわる疑問点を教えていただきました。
計画分娩予定日に入院するも、子宮口はあまり開かず痛みも強くならず…
計画分娩を予定していたかちょこさん。当日は、兆候のようなものを感じておらず、病院に向かうときも「赤ちゃん産むんだなぁという気持ちも、母になるという実感も覚悟も、まだ私の随分後ろでモタモタしてまして。私の身体だけが、ただただスケジュールだから向かった、みたいな状態」だったそうです。
入院したのち病院では、朝9時から17時半まで陣痛を促すための点滴を打ちますが、2~3分間隔で張りはくるものの痛みはほぼなく、そのままその日は終了。
翌朝、誘発分娩のためのバルーン(メトロイリンテル)を行い、子宮口を広げていきます。その後2回の卵膜剥離をしたところでやっと陣痛らしいものが!
かちょこさん「入院2日目で子宮口が開かないことに焦り始めていました。バルーン、卵膜剥離を行うと聞き、やっとお産が進む!とどの処置にも前向きでした。しかし、卵膜剥離も2度目の時は痛すぎて。ヤケというか、いくらでも来いや〜みたいなテンションになっていました」。
しかし、子宮口が3.5cmとなったものの、痛みもそれほど強くはならず、点滴のタイムリミットもあり、一時帰宅することに。
予定日超えたこともあり、病院からは「このまま兆候なければ3日後から再度誘発しましょう」と言われたそうです。
一時帰宅で仕切り直し!出産直前の充実した2日間
ご主人とお参りデートをしたり、お散歩したり、お好み焼きを楽しんだりと充実した2日間を過ごしたかちょこさん。
その時に気付いたことは、妊娠中も腹筋を引き上げながら歩く癖!
この日初めてお腹をゆるめて歩いてみると、子宮口にズシズシと重たい響きを感じたそうです。
夜中に前駆陣痛が少し強くなったように感じたかちょこさん。しかし、陣痛も破水もなかったため、予定通り3日後の朝に病院へ。
「次に病院を出るときは、この腕の中に赤ちゃんがいるのか」「今度こそ産むんだなぁ」と思って臨んだものの、まさかの子宮口が縮んでいてびっくり!
専門医に聞く「出産」にまつわるギモン
計画分娩を予定していたかちょこさんは、思っていたように陣痛が進まず、一時帰宅することになってしまいました。このようなことはよくあることなのでしょうか?
現在、女性医療クリニックLUNA横浜元町の副院長であり、ご自身も2歳児と0歳児の兄妹を育てる母でもある小野寺真奈美先生にお話を伺ってきました。
──かちょこさんがされた「計画分娩」とはどのようなときに行われるものでしょうか?
小野寺先生「計画分娩とは、分娩日を決めて分娩を誘導(誘発)することです。予定日の超過、赤ちゃんや母体の状態で予定を決めて分娩をしたほうがいい場合に適応されます。現在は無痛分娩の時にも、麻酔の管理上、計画的に行うことがあります。人手が多いときにお産を計画することで、より安全な分娩を考えることができます。
ただ、予定を決めたとしてもその日に生まれるとは限らないこともあり、数日かかる場合や緊急での分娩になる場合もあります。自分が思い描いていたお産にならず悩む方もいらっしゃいますが、まずは自分と赤ちゃんの命を優先にして考えていきましょう」。
──では計画分娩となっていても、かちょこさんのように一時退院することがあるということなのですね。その時に気を付けることはありますか?
小野寺先生「赤ちゃんに分娩の準備ができていないと、なかなか子宮口が開かなかったり、陣痛が進まなかったりという場合があります。母体や赤ちゃんの状態に問題がない場合は、かちょこさんのように退院する場合があります。
というのも、入院中は動くことが少なくなるので陣痛が進みにくいですし、母児共に問題がなければ焦る必要がないからです。自宅に帰ることでリラックスすることも、長くなると予想される分娩にとっては大切です」。
──かちょこさんはバルーンや卵膜剥離をされたようですが、陣痛が始まらないときにされる処置にはどのようなものがありますか?
小野寺先生「(1)産道(さんどう) (2)娩出力(べんしゅつりょく) (3)娩出物(べんしゅつぶつ)のの3つの要素がお産の進行に関わってきます。
まず、「(1)産道」であれば、子宮口や骨盤といった赤ちゃんが通る道の準備ができているかが大切になります。骨盤の形によっては赤ちゃんの進みが悪い場合もあります。また子宮口が狭いと赤ちゃんは出てこられないため、子宮口を開く処置として頸管拡張(けいかんかくちょう)を行います。
「(2)娩出力」とは、陣痛のことです。子宮口もある程度開いているけれど、陣痛が弱いといった場合などは陣痛促進剤を使用します。
赤ちゃん自身や胎盤・へその緒のことを「(3)娩出物」といいます。赤ちゃんの向きや状態が良くない場合や、胎盤やへその緒に異常があると危険な状態になることもありますので、慎重に観察していきます。こちらの異常が生じた場合は、基本的には急速遂娩(すいべん)に切り替えます。
──かちょこさんのように、一時帰宅することで開いた子宮口が再び縮むことはあるのでしょうか?
小野寺先生「まだお産の時期ではない場合は、人為的に開いた場合など(頸管拡張)は縮む場合もあります。また、どうしても内診する人によって1cm程度の誤差があることがあります」。
急にお腹が痛み出した、破水した…など出産のはじまりは人によって異なります。予定日通りにいかないこともほとんどで、読めないからこそ予定日が近くなるにつれ、不安を感じるかもしれません。突然くるその日に少しでも心地よく臨めるよう、出産に関する疑問を解消していきましょう!
かちょこ
23年1月に長男のモー太くんを出産。明るくて豪快な妊娠から育児の記録をインスタグラムで公開中。
取材・文=伊藤延枝
医療監修=女性医療クリニックLUNA横浜元町 副院長 小野寺真奈美先生
Information
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