そんな希望条件、初耳なんだけど!?「親の呼び寄せ」父と1泊2日の内見ツアーへ/親の呼び寄せが問題山積みだった件(9)

そんな希望条件!?初耳なんだけど!

遠方に暮らす両親が「そっちに引っ越したい」!? 冗談で言ったつもりが大変なことに
「親の呼び寄せが問題山積みだった件」9話【全10話】


遠く離れて暮らす高齢の両親。
「今は元気だけど、この先なにかあったらどうしよう」「このまま離れて暮らしていて大丈夫?」とぼんやり不安に思っていた矢先…父が電話で「そっちに引っ越したい」と言ってきた!!

実家は残す?売る?新しく両親が住む家はどうやって探す?お墓はどうなる?
いざ「両親を呼び寄せる」となるとたくさんの「これってどうすればいいの~!!」が押し寄せてきて…

イラストレーター・エッセイ漫画家のこしいみほさんが実際に直面した「両親の呼び寄せ」を、イラストとエッセイでつづります。この記事を読んで、あなたの「親とのこれから」をじっくり考える機会にしてみませんか?

父が関西から関東に移住候補の物件を見に来ることになった

病院やらスーパーが近くにないのがちょっとなぁ~

こんにちは、こしいみほです。
関東在住の30代のエッセイ漫画家です。
長女の出産を機に、夫の両親との3世代同居を始めて8年が経ちました。

ある日、関西に住む70代の父から「関東に移住を検討している」という電話を受けたひとりっ子の私。以前私が冗談のつもりで言った「関東に来たら?」の言葉がきっかけとなり、真剣に考え始めたと言うのです。知識も情報もゼロだった「親の呼び寄せ」。山あり谷ありの日々が始まりました…。

ネットの使えない両親に代わって私が物件を探している間、父は移住に向けた実家の断捨離やお墓問題、お金の整理などを着々と進めていました。一方で、移住に消極的な母に向けても、根気強く説得を続けていたそうです。しかし、住み慣れた土地を離れる不安が大きい母。移住に不安を抱える気持ちは、なかなか変わらないようでした。

先行していくつか物件を内覧していた私は、不動産会社の営業担当さんのトークに乗り、戸建てのなかでもさらに新築建売物件に大きく気持ちが傾いていました。「実際に住むことになるご両親にも見ていただいた方が良いのでは?」という担当さんの提案が決定打となり、実際に両親の内覧を決定することにしたのですが、今回は母を無理に連れ出すことはせず、まずは父だけで物件を見てみようということになりました。

私が1泊2日の内覧ツアーを企画し、関西から久しぶりに父がやってきました。お昼ごろに駅まで迎えに行き、そのまま物件候補のエリアをドライブすることに。この日は内覧を入れず、希望の住環境を実際に見て回る予定にしました。
父の希望は、私が住んでいる家から車で20分程度のエリア。実際は市の中心部から離れた利便性の低い地域のため、買い物や病院に行くにはバスや車の移動が中心になります。「このあたりに住むとしたら、買い物はここかな〜、病院はここかな〜」と案内し、父に移住後の暮らしをイメージしてもらいました。

孫たちとの久々の再会も楽しみつつ、父はホテルに1泊。翌日はいよいよ内覧です。
高齢の父が内覧のために何度も関東に来るのは厳しいので、なるべく複数の物件を比較検討できるようなスケジュールを組みました。

戸建てにしか住んだことがない両親は、移住後も戸建てを希望していたのですが「一応マンションも見ておこうよ」と私が提案し、まずは賃貸マンションを2件見てもらうことに。ただでさえ移住に消極的な母は、慣れない集合住宅はなおさら難しいだろうという印象は変わりませんでしたが、「自分ひとりならマンションもアリかもなあ」と父は感じたようで、これはこれで収穫だったなと思います。

昼食を挟んで、午後は戸建て物件の内覧へ。私が事前に内覧していた中古物件と最推しである新築建売の2件を巡ったところ、父の反応は悪くなさそう…!「もしかしたら、移住計画がいよいよ現実に!?」と内心ドキドキ。

しかし、すべての内覧を終えて父から出た感想は「病院やスーパーが近くにないのがなあ…、利便性が低いのが心配」というものだったのです。
えーーーー!!!そこは重要視しないって前に言ってたよね!?とびっくり。営業担当さんも「えっ…」という表情でした。そりゃそうだ。
結局どの物件も話を進めることはなく「もう一度優先順位を検討したほうがいいですね」という結末を迎え、内覧ツアーは終了したのでした…。

やや肩透かしで終わってしまいましたが、マンションの印象が変わったり、住まい探しの希望条件を再考することになったのは、実際に周辺地域をまわり、条件の異なる複数の物件を見たからこそ!ややハードなスケジュールだったものの、納得できる住まい探しには必要だったのでは、と思っています。

なかなかひと筋縄ではいかない高齢親の住まい探し。親の希望を汲み取りつつも、条件からちょっとずらしたところを提案してみるのもオススメです。違ったアプローチをすることで、それまでは気づかなかったこと、見えていなかったものに意識を向けるきっかけになるかもしれません。

▶︎プロフィール

こしいみほ

イラストレーター・エッセイ漫画家。
SNSで育児や趣味のマンガをたのしく発信しています。
著書にコミックエッセイ「ころんでもポジティブ 毎日を少しでも明るく生きる23の思考術」「不調と痛みが消える!10秒筋膜ほぐし」(マンガ担当)など。
Instagram:@miho20141124
Twitter:@541miho

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