うそでしょ!? 私のマスカラを借りた義母の行動に、思わずあ然!/義母ダンジョンにハマっています。(1)

#くらし   
私と義母との長い闘いが始まる

『義母ダンジョンにハマっています。』1話【全12話】


不思議な常識の中で生きる義母「チヨママ」とのトンデモエピソードをシニカルな言葉でツイートし、大反響を呼んだ秋山(@Aki8ma_3)さん。「義実家からの出産祝いがビーフジャーキー2個」など衝撃的な内容ばかりですが、すべて実話だというから驚き! 秋山さんの辛口ツッコミは思わず吹き出す面白さです。

強烈キャラの義母に振り回されながらも長男の嫁として奮闘し、“敵”の攻撃を上手にかわす方法を身につけていった秋山さん。徐々に経験値を上げながら、優しい夫と可愛い息子たちを援軍にラスボス(義母)と戦い続ける様子に、驚きと共感が止まりません! 悩みも疲れも吹き飛ぶ義母と嫁のクセ強バトル、ちょっと覗いて見ませんか?

※本記事は秋山著の書籍『義母ダンジョンにハマっています。』から一部抜粋・編集しました


義母からの出産祝いがビーフジャーキー2個!

結婚後義母ダンジョンにハマってしまった嫁の闘いの記録です。

私とお義母さんとの出会いは、私が20歳の頃、学食で昼食を食べていた時に当時の彼氏(現夫)から「来週の日曜日あいてる? 両親が秋ちゃんに会いたいって」と切り出されたところから始まる。

その話が出た時、私は率直に言って嬉しかった。

優しく思いやりのある彼、そのご両親からの申し出、断る理由がなかった。

「そういう時ってやっぱりヒールのある靴の方がいいよね」と服装に迷う私に彼は「ちょっと大変かもしれないからその時は言ってね」と言ってきた。

この言葉を私は「普段ヒール靴を履かない私を気遣ってくれるコメント」だと、その時は思っていた。

当日時間より少し前に行くと義父母はすでに来ていた。

今でもあの時の光景を私はよく覚えている。彼らは「上品」だった。

いい暮らしを思わせる服装と髪型で、人生を楽しんでいる者に見られる余裕を感じた。

2人とも私に気付くと立ち上がり笑顔で手を振ってくれた。

私も遅れて会釈をし、緊張しながら手土産を渡した。

夫と2人で選んだ、おしゃれな店のおしゃれなパウンドケーキ。

お義母さんが好きだというドライフルーツが入っている。

「まあまあそんなに緊張なさらないで、おかけになって」。

お義母さんはゆったり滑らかな口調で私に着席するように促した。(この優しそうな雰囲気、彼に似てる。いい人なんだろうな)と私は思った。そう思ったのは後にも先にもこの時だけである。

席につくとメニュー表を見るより前にお義母さんは鞄からノートとボールペンを取り出した。

「それであなた…秋山ちゃんね、うちのアキちゃん(夫)と仲良くしていただいているみたいなんだけど、どちらから声をかけてお付き合いを?」

いきなり質問が飛んできた。表情だけは先程と変わらず柔和である。「僕だよ」と横から彼が言った。

うんうんと笑顔で頷きながら何かメモを取るお義母さん。

「秋山ちゃんはお生まれはどちらなの?」

「大学進学でこちらに来ました。実家は飛行機の距離で少し田舎なんですけど」

「飛行機ぃ~!??」

ここで義母はわざとらしい大声を出し、手を止めてまじまじと私の顔を見た。随分遠いのね、と前置きした上で

「アキちゃんが選んだお相手だからてっきり都会の方かと思ったわ。じゃあ長期休みの時にしか実家へは帰れないの?」

と言うのでまあそうですね、と返すと

「飛行機で何時間もかけて帰るんでしょ? 私は実家が○○(某高級住宅街)なの。○○、田舎に住んでても聞いたことはあるでしょ? 里帰りって言っても電車に乗って160円で着いちゃうの。あなたみたいに何時間もかけて里帰りってあこがれるわー、ニュースとかで見てるから」

ここで私は思う。この人、少し失礼なのではないか。目の前にいるのは本当に彼の母なのか。

戸惑いの表情で彼の方を見る。目が合った。

無言で頷く彼。やはり母親はアレで間違いないらしい。

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