あなたの家は大丈夫?「とりあえず防災」じゃない、「もう一歩進んだ防災対策」を考えてみませんか

 

今年は関東大震災から100年の節目ということもあって、防災について考える人が多いのではないでしょうか。日ごろから防災グッズなどを購入して備えていても、いざというときにそれで本当に大丈夫なのか、不足はないかと不安もありますよね。

そこで節目となる今年2023年、防災への意識が高まる9月1日「防災の日」を前に、JA共済連が防災に関する意識と実態へのアンケートを実施しました。対象となったのは、全国の10代~70代の男女960人。

[図1]自然災害に対する不安

アンケートの結果、「自然災害で不安に思うもの」1位に「地震」(88.6%)が挙がり、80.6%が「数年以内に大きな地震が来そう」と予想しましたが――。
その反面、「小規模の地震が多く慣れてしまった」と、約6割が地震慣れを自覚している様という結果に。

[図3]地震に対する慣れの実態

関東大震災にちなんで制定された「防災の日」も、4人に1人は「防災の日があることも知らない」(23.0%)と回答したそうです。事実筆者も、「防災の日」の存在は知っていたものの、それがいつかと聞かれたら応えられる自信はありませんでした。

[図5]「防災の日」の認知


災害リスクアドバイザー・松島康生さんは、地震慣れの理由の1つとして「情報量の多さ」を挙げています。TVやインターネットから次々と情報が飛び込んでくるため、見慣れて次第に緊張感がなくなってしまうのではないか、と危惧しています。

災害リスクアドバイザー・松島康生さん

遠隔地で起こった災害は映像として見えていながら体感がなく、こうした情報に頻繁かつ長期的に晒されることで、慣れて自分ごと化するのが難しくなってしまうそうです。

また防災対策に関しても、85.8%が「実践している」と回答しましたが、自分の防災対策に「自信がある」と答えたのはわずか14.3%。

[図12]防災対策の自己評価

手をつけられる対策を「とりあえず」で実践している人は多いようですが、まだまだ大多数は不十分さを感じ不安を抱えている様子です。

[図8]これまでに行ったことがある防災対策


このような「とりあえず防災」に対し松島さんは、自分が暮らす地域にどんな災害危機があるのかを確認し、地域の災害リスクと家族構成から「本当に必要なもの」を洗い出し、備えておくことが大切だと訴えています。例えば、地震のときはガス漏れや引火など二次災害の危険もあるため、防災セットに入っているろうそくは使えないことが多いと指摘。特に三角巾などの普段使わないアイテムは、自身に正しく使える知識があるか再確認しておいた方がよさそうです。

災害への備えをしているつもりでも、こうしてじっくり見ていくと、案外アイテムも知識も不足していますよね……。生きるために必要なものは人それぞれで、何となく防災セットを置いているだけでは不十分なことが多いはずです。実際、アンケート回答者の約8割が「もう一歩進んだ防災対策をしたい」「子どもにも知ってもらいたい」と感じており、高校生・大学生も、6割が大地震体験イベントに「参加したい」と積極的な姿勢を見せていると結果が出ています。

この現状を踏まえ、2023年9月17日(日)~9月18日(月・祝)、横浜国立大学にて日本最大級の防災イベント「ぼうさいこくたい2023」が開催されます(参加費無料)。

ぼうさいこくたい2023

今年で8回目となる本イベントは、「次の100年への備え ~過去に学び、次世代へつなぐ~」をテーマに、毎年関東大震災の震源地・神奈川県で実施されています。

イベントでは、JA共済連が出展する「ザブトン教授の防災教室」で、イス型の地震動体験装置「地震ザブトン」に乗って大震災級の揺れを体験できるそう。揺れを体感することで、地震を正しく恐れ、家具の固定など日頃から「備える」ことの必要性を改めて実感できるのではないでしょうか。

「地震ザブトン」の体験の様子


松島さんも、リアルな場での「体験」が防災意識を高め、自分ごと化する大きなフックとなると話しています。もしものときの対応や安否確認の方法など、家族で具体的に話し合うきっかけにもなりそうです。

関東大震災から100年という節目の年を、防災意識を高めるチャンスにできるといいですね。

文=月乃雫

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