夫に隠れてこっそり読みたい漫画ランキング1位「パパ、浮気してるよ?」の著者が「サレ妻」に伝えたいこと

#趣味   
『パパ、浮気してるよ? 娘と二人でクズ夫を捨てます』より

「夫に隠れてこっそり読みたい」をテーマにしたコミックレーベル「LSComic」。2022年にもっとも読まれた「LSComic」ランキングの堂々1位に輝いたのが漫画「パパ、浮気してるよ? 娘と二人でクズ夫を捨てます」です。2023年に入ってからも人気は根強く、続編が刊行され大きな話題を呼んだのが6月。そしてこの9月には最新話がリリースされます。

「パパ、好きな人いるよ。ママじゃない人」

ある日、娘からそんな衝撃的な言葉を告げられた主人公。彼女が、夫とその浮気相手に向き合うことになる…というのが漫画のあらすじですが、本作が、これほどまでに読者の支持を集めた理由は何なのでしょうか。
まずは冒頭のストーリーをご紹介しましょう。

憧れの人との結婚生活に入ったヒビ

主人公の香澄が夫の洋介と結婚して、10年が経ちました。
クリーニング店の2代目でもある洋介の実家で、きつい性格だと近所でも有名な姑とともに暮らしています。

いい朝

何時だと思ってんだ

嫁に対しつらく当たる姑とともに働き、暮らすことには苦労もありますが、そんな生活に耐えられるのも、夫が学生時代からの憧れの存在だったから。

一生関わることなんて

地方の地味な優等生だった香澄には、偶然見かけた洋介の姿は、青春を謳歌している高校生そのものに見えました。男女で連れ立ってにぎやかに遊ぶ彼のような存在には、自分は一生関わることはないだろうとあきらめつつも、洋介から目を離すことができなかったのです。

それから数年後。香澄は、短大を経て事務員として病院に就職します。その病院にクリーニング業者としてやってきた洋介を見て、当時の淡い恋心を思い出した香澄は猛アタックを開始。そこからは順調にお付き合いが進み、二人は無事に結婚したのでした。

しかし香澄にはある悩みが。それは洋介の親友である雅也と、その妻の絵美たちの派手なノリに付いていけないことでした。新婚当初から、家族同士の付き合いを続けている今に至っても馴染めずにいます。

ザいい奥さん

派手でにぎやかな人

そんなある日、夫の友人の雅也が転職し、絵美と2人の子どもを地元に残して東京で働くことになったのです。これがきっかけとなり、洋介は絵美と不倫関係に落ちていくことに…。

絵美ちゃんの家なの?

そしてその関係は、香澄の娘であるゆみも知ることとなります。


漫画家・芸子さんインタビュー

――漫画の中で、香澄は娘とともに夫の浮気に立ち向かうことになりますね。この物語を描こうと思ったきっかけをお教えください。

聞いたらだめなことだった…?

芸子さん
「浮気や不倫を題材にした漫画は、ネットでもSNSでもたくさん見かけますよね。私もよく読んでいましたが、夫婦の関係にフォーカスしたストーリーが多いように感じていたんです。
夫婦同士の葛藤も、された側の苦しみも、もちろん重要なのですが、一番無関係なのにただ一方的に巻き込まれる被害者って子どもだと思うんです。子どもの気持ちにフォーカスを当てることで、読者の方にも色々考えていただけるのではないか、と思い描き上げました」

――主人公・香澄は夫の友人関係にうまくなじめず悩んでいましたね。香澄のような女性をどう思いますか?

いい奥さんぽい

お似合いとは言われない

芸子さん
「主人公のような自分への自信のなさって、形は違えどみんなあると思うので、私にとっては共感できる部分が多い女性です。アウェイに一人で飛び込む時のなじめなさだったり、なんとも言えない劣等感だったり。
そんな中で、守らなければいけないものを見失いそうになりながらも、最終的に一番大切にしなければいけないものを守り切れた主人公はとても尊敬します」

――妻として母としてさらにはクリーニング店の従業員として頑張る香澄が健気でした。この主人公の人物像はどのように生まれたのでしょうか?

芸子さん
「香澄のモデルは、私の母です(笑)。娘の気持ちをよりリアルに想像するためにも、娘目線で見ることのできる実の母をモデルにしました」

初恋だった


――夫の地元の仲間たちという、狭いコミュニティの中で起こるエピソードもとてもリアルでした。

芸子さん
「私自身が田舎生まれ田舎育ちなので、狭いコミュニティのエピソードは次から次へと思い浮かぶのです(笑)。一度、学生時代に上京したのですが、田舎での当たり前が都会では当たり前でないという感覚があるので、その違和感を作品に反映させているイメージです。まだまだ古い感覚が周囲にたくさんあるおかげで、よりリアルに表現できているのかなと思います」

――洋介の浮気相手となる絵美は、「絵」に描いたように「美」しい、という名前の通りの女性ですね。彼女は、作者である芸子さんにとって、どのような存在ですか?

芸子さん
「『圧倒的な美しさ』があるって、私の中では羨ましいでしかないのですが、羨ましいからこそ、そういう女性の悩みって何だろう?と想像した時に、絵美の人物像が少しずつ広がっていきました。

誰からも羨まれる容姿で生まれたけど、それが呪いになっていたとしたならば、絵美にとってそれは武器になるのだろうか。どうやって立ち回るだろうか。絵美にとって1番苦手で嫌いな女ってどんな人だろう。またそんな人が現れたらどう接するのだろう。

そう考えていくうちに、1巻で圧倒的なヒール(悪役)だった絵美に対してどんどん情が沸く自分がいました」

取り柄なくなっちゃうよ

――2巻以降は絵美側の視点で物語が描かれていますね。

芸子さん
「絵美の話を始めると決まった際に、読者の方からはきっと今までみたいな賞賛ではなく『シタ側を擁護するような漫画は読みたくない!』というような意見が出るんだろうなぁ〜と覚悟していましたが、やはりそういう意見はちらほら届きます。」

――確かに、絵美の状況にも一定の理解ができるように描かれています。とはいえ、不倫を肯定しているわけではないんですよね?

芸子さん
「そうですね。最終話までの間で、ヒールにはヒールの言い分があって生い立ちがある。でもそれがすべての免罪符にはならないよ、ということを伝えられたらなぁと思います」

一番わかってる

――現在進行形でパートナーの浮気に悩んでいる人へ、何かアドバイスがあれば願いいたします。

芸子さん
「アドバイスなんてできる立場でもなんでもないですが…。
『自分にも原因はあるのかも』などとは思わないでほしいです。浮気をしたパートナーが『動機』としてそれらを挙げるかもしれませんが、それはあくまで動機。あなたを傷つけていい理由にはなりません。傷つくことに慣れないで! あなたを大切にしない人はあなたの大切にするリストから外してやりな! と肩を抱いて一緒に生ビールを飲みたいです」

    *      *      *

娘からの告白を受けて香澄は、夫とその浮気相手と対決し、自分なりの答えを出します。それはコンプレックスや、ずっと押し殺してきた自分の気持ちと向き合うことにほかなりませんでした。

「よく見かける『不倫』を題材にした物語だからこそ、ただ消費されるものでなく、少しでも心の動かされる漫画になったなら幸いです」と話す芸子さん。

自分が登場人物だったらどうするか、考えずにはいられない作品です。

取材・文=山上由利子


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