コーヒー豆を育む条件とは? 栽培に適した地域「コーヒーベルト」/コーヒー1年目の教科書(3)

pixta_19045933_M

コーヒー豆は「実」ではなく「種」! まずは知りたいキホンのキ/絵とマンガでわかる コーヒー1年目の教科書(1)
『絵とマンガでわかる コーヒー1年目の教科書』 3回【全9回】


世界で活躍する女性バリスタによるコーヒー入門!

2017年のワールドバリスタチャンピオンシップ第2位に輝いた日本人女性バリスタ・鈴木樹(みき)さん。なんだか難しそうなイメージのあるコーヒーのあれこれですが、世界の女性バリスタ活躍の礎を築いたパイオニアとして知られる鈴木さんが分かりやすく教えてくださいます。

「好みの豆と淹れ方がわかる」ようになり、「自宅でおいしいコーヒーを楽しむことができる」、さらに「カフェで自分のお気に入りをオーダーできる」ようになる! そんな、憧れだったコーヒーの世界を憧れで終わらせないためのイロハをお届けします。

※本記事は鈴木 樹、藤野 リョウ著の書籍『絵とマンガでわかる コーヒー1年目の教科書』から一部抜粋・編集しました。


生産地が集中する「コーヒーベルト」

コーヒー豆を育むにはいくつもの条件があります。

コーヒーの発祥については諸説ありますが、ルーツはエチオピアにあるといわれています。エチオピアからもたらされたコーヒーが、世紀頃から世界中に広まって栽培されるようになりました。コーヒーノキは熱帯植物。赤道をはさむ北緯25度から南緯25度までの熱帯・亜熱帯地域に、産地が集中しています。コーヒー栽培に適したこの地域は「コーヒーベルト」と呼ばれています。

コーヒー豆ができるには、いくつかの条件があります。まずは気温が一年を通して20℃前後であること。気温が高すぎると実が早くつきすぎてしまったり、病気になったりします。反対に気温が低すぎると実が小さくなり、収穫量が減ってしまいます。時には霜で枯れてしまうことも……。

次に年間の降水量は、1500~2000ミリメートルが良いとされます。コーヒーノキは十分な水分を必要とする植物。コーヒーベルト地域には基本的に雨季があり、この雨季が恵みをもたらします。雨によって土壌中に溶け出した栄養分が根から吸収され、コーヒーの花は開花するんです。けれども雨季が長期化したり、降水量が多すぎたりすると、生産量に影響が出ることもあります。

そして、適度な日照量。とはいっても、直射日光があたりすぎるのも良くないので、シェードツリーという、コーヒーノキよりも高さがある木を植えて日陰を作ることもあります。

また、昼夜の寒暖差も大切です。寒暖の差があることで、コーヒーチェリーがゆっくりと成長し、豊かな味わいの実になります。寒暖差は標高が高い場所で生まれます。生産国によっては、生豆のグレーディングで標高の高さが重視されるのはそのためです。標高の高さがグレードに関係するなんて、おもしろいですよね。

これらの条件を満たす地域が、コーヒーベルトというわけです。もちろん、この地域以外でもコーヒー豆は作られていますが、主要国はきれいにこのベルトにおさまっています。

コーヒー豆の主要生産地は、南米、中米、アフリカ、アジアの国々です。南米のおもな生産国は、ブラジル、コロンビア、エクアドルが挙げられます。コーヒー豆生産量世界一のブラジルは、広大な国土の大半コーヒーベルトに属しています。国内消費も伸びて今や世界第3位、まさにコーヒー大国なのです。

中米の生産国は、グアテマラ、コスタリカ、パナマ、ホンジュラスが有名。パナマの生産量は他国と比べると多くはありませんが、パナマのゲイシャは唯一無二の存在として、最も注目を浴びている品種です。

アフリカの有名な生産国は、ケニア、エチオピア、ルワンダがあります。エチオピアはコーヒーの歴史が古いだけあって、コーヒーにまつわる伝統的な儀式や独特の習慣が残っています。コーヒー好きなら訪れてみたい国ですよね。アジア地域のベトナム、インドネシアはコーヒー豆生産量が世界のトップクラス。コンデンスミルクをたっぷり加えて飲む「ベトナムコーヒー」は、日本でもファンが増えています。

コーヒーベルトといえど、国によって気候は違い、栽培される種や品種はさまざま。生産処理にも違いがあります。

コーヒーノキを栽培するための条件

コーヒーノキを栽培するための条件


著=鈴木 樹、藤野 リョウ/『絵とマンガでわかる コーヒー1年目の教科書』

この記事に共感したら

Information

本ページはアフェリエイトプログラムによる収益を得ています

おすすめ読みもの(PR)

プレゼント応募

新規会員登録する

コミックエッセイランキング

コミックエッセイをもっと見る

作品を検索する

レシピランキング

レシピランキングをもっと見る

レタスクラブ最新号

レタスクラブ最新号詳細