自宅で本格的なアイスコーヒーを
急冷式は爽やか、水出し式はコクのある味わいになります
暑い夏や、喉をすっきり潤したい時は、アイスコーヒーが恋しくなりますね。アイスコーヒーの淹れ方には、大きく分けて急冷式と水出し式があります。
急冷式は熱いコーヒーをたっぷりの氷で急速に冷やす方法。ホットのコーヒーを淹れるよりも濃いめにするのがポイントです。粉の挽き目は中挽きがおすすめです。
最初にペーパードリップで淹れる急冷式のアイスコーヒーから紹介しましょう。ホットよりも濃いコーヒーを抽出するので、1杯分のお湯とコーヒーの粉の量は、お湯が180グラム、粉の量は20グラムになります。ホットのお湯と粉の量が15対1だったのに対して、アイスは9対1です。
まずはホットと同じように、ドリッパーにペーパーフィルターをセットして、お湯をかけてリンスします。次に、サーバーやグラスにたっぷり氷を入れます。ここがホットと大きく異なる点。氷を入れたら、ドリッパーに粉を入れ、表面を平らにならしておきます。
粉の量がホットよりも多いので、注湯回数は3回。1湯目は中央からお湯をゆっくりと注ぎ、粉全体を湿らせるようにします。お湯の量は60 グラム。注ぎ終わったら、1分間じっくり蒸らします。
蒸らしが終わったら、60グラムのお湯を1回、30秒たったらもう1回、ゆっくりと中央から円を描くように注ぎます。抽出されたコーヒーが氷の上に落ち、氷に触れた瞬間から急速に冷やされます。こうすることで、急冷式アイスコーヒー独特の引き締まった風味とフレーバーが生まれるんです。
抽出が終わったら、サーバーのコーヒーをスプーンなどでかき混ぜて、濃度と温度を均一にします。氷が少なくなっていたら、2、3個足しても大丈夫です。フレンチプレスで淹れる場合は、コーヒーを濃く抽出し、氷を入れたサーバーに移して急冷します。1杯分の分量は、お湯が200グラム、粉が2グラム。コーヒーを抽出する手順や時間はホットの時と同じです。フレンチプレスで淹れたアイスコーヒーは、香り豊かですっきりとした味わいに仕上がります。
エアロプレスもフレンチプレスと同様にして、アイスコーヒーを淹れることができます。
1杯分の分量は、お湯が150グラム、粉が16グラム。エアロプレスで淹れたアイスコーヒーはキリッと爽やかな味わいに仕上がります。
水出し式の手順はとっても簡単。常温の水を使って、ゆっくり抽出します。水とコーヒーの粉の比率は10対1。粉の挽き目は中挽きから中細挽きに。抽出用の容器は、フィルター付きのボトルが便利です。中身が見やすい透明のものを選びましょう。フィルター部分にコーヒーの粉を入れ、ふたをして冷蔵庫で8~10時間。じっくり時間をかけて、コーヒーの成分を抽出させます。
フィルターなしのボトルは、粉をボトルに直接入れて平らにし、粉と水がなじむようスプーンで数回攪拌して冷蔵庫に入れます。抽出が終わったら、ハンドドリップのようにペーパーフィルターで濾します。粉を直接入れず、茶こしパックを使っても大丈夫です。
水出し式は低温で長時間抽出するため、甘さがありとろっとなめらかな質感。味に厚みがあるアイスコーヒーになります。
自宅で本格的に楽しめるアイスコーヒー
急冷式
(グラス1杯分)
お湯…180g
コーヒーの粉…20g

中央から外側に向かって全体を湿らすようにお湯をかけ、1分間蒸らし、残りのお湯を2回に分けてゆっくりと注ぎます。
スプーンでかき混ぜて出来上がりです。
水出し式
(グラス1杯分)
常温の水…200g
コーヒーの粉…20g

粉を入れたボトルに水を注いで、8~10時間冷蔵庫で冷やします。

ボトルに直接粉を入れる場合は、抽出後ペーパーフィルターで濾します。
著=鈴木 樹、藤野 リョウ/『絵とマンガでわかる コーヒー1年目の教科書』