コーヒーのフードペアリング
系統を合わせた食材から始めてみましょう
食材同士を組み合わせることによって相乗効果が生まれ、さらにお互いの良さを引き出す。そんな組み合わせのことを「フードペアリング」といいます。ワインの世界では「マリアージュ」という言葉も使われています。
コーヒーの世界でも近年このフードペアリングが注目されています。相性の良い食べ物とコーヒーを合わせることで、新しい発見があったり、さらに美味しく感じられるなんて、素敵なことですよね。
とはいえ、あまたあるコーヒーと食べ物の組み合わせを覚えるのは大変なこと。まずは、コーヒーのアロマや風味と食べ物の風味の方向性を合わせてみることから始めましょう。
食べ物とコーヒーの風味が合うと、心地よいハーモニーが生まれ、味覚や嗅覚で余韻が長く残って楽しめます。
ナチュラルプロセスで生産処理されたコーヒーは、果実感があるのが特徴。アフリカ産のナチュラルプロセスに代表されるベリーのような香りのあるコーヒーには、いちごのショートケーキや、果物のタルトなどがよく合います。口の中で後味が重なって、気持ちいいバランスが生まれます。
発酵した風味のあるナチュラルプロセスは、いちご大福やあんパンとも相性が良く、予想外の美味しさが発見できるでしょう。
また、ブラジル産に代表されるナッツのような風味のあるコーヒーは、アーモンドチョコレートや、バターとアーモンドたっぷりのフィナンシェなどとの相性が良いです。焙煎度合いが深煎りのコーヒも、香ばしいナッツのような香りが特徴。ナッツ系のスイーツとの相性が抜群です。
次に、食べ物とコーヒーの重さや強さ、ボリューム感を合わせてみましょう。チョコレートケーキのような重厚な食べ物には、コーヒーにも重さや強さのものを組み合わせます。
エスプレッソや深煎りのコーヒー、サイフォンで抽出したコーヒーなどがそれにあたります。どっしりとしたコーヒーはどら焼きや濃厚なバター系のスイーツともよく合います。
逆に、すっきりとした軽いコーヒーにチョコレートを合わせると、強さや重さが異なるため、お互いの味わいを打ち消すことがあります。
やわらかく軽やかなコーヒーは、果実のケーキややさしい酸味のあるクリームチーズ、シンプルなトーストなどとの相性が良いです。中米産、フレンチプレスやドリップコーヒー、浅煎りのコーヒーが、軽やかな味わいの代表格です。
フードペアリングは、お互いの良さを引き出し、足りない部分も補って、新たな味わいを生み出します。別々にとるよりも、1+1が2を超えて3となるような美味しさを体験することができます。
お好みのコーヒーの銘柄や焙煎度合い、淹れ方に合わせて、自分だけのフードペアリングを見つけてみてはいかがでしょうか。
フードペアリングで美味しさを新発見
アロマや風味を合わせる

ベリーのような香りのあるナチュラルプロセスのコーヒーには、いちごのショートケーキや果物のタルトがよく合います。
ブラジル産などナッツ系のコーヒーにはアーモンドチョコレートやフィナンシェがおすすめ。
重さや強さ、ボリューム感を合わせる

エスプレッソなど重みのあるコーヒーは、濃厚なチョコレートケーキやどら焼きとの相性がいいです。軽やかなコーヒーには、果実のケーキややさしい酸味のあるクリームチーズと合わせると、お互いの良さが引き立ちます。
著=鈴木 樹、藤野 リョウ/『絵とマンガでわかる コーヒー1年目の教科書』