RE(早期退職)よりFI(経済的自立)がポイント
FI(経済的自立)すれば、働き方や仕事を辞める時期、そもそも働くか働かないかを自分で決められるようになります。企業に属して会社員として働くだけでなく、パートやアルバイトなどで働く時間と場所を自分で選択することも可能に。働く時間を短縮することで、人生の「自由時間」を増やせます。
年間支出の25倍の資産を貯めて資産の運用益で生活する
アメリカのトリニティ大学の論文によると、理論上、FIREするのに必要な元手は「1年の生活費の25倍の資産」で、その資産を投資で運用しながら、毎年「資産の4%を取り崩して」その金額内で生活すれば、30年後も資産が0円にはならない可能性が98%もあるということです。
簡単に言うと、まず最初にお金をたくさん貯めて、それを運用しながら少しずつ取り崩して生活すれば働かなくて済むというもの。
毎年4%を取り崩し続けても、25年後どころか、30年後も資産が0円にならない可能性がかなり高い! まるで魔法のようです。

そして、ここで肝になるのが「投資」です。「1年の生活費の25倍の資産」と言われても、そう簡単に貯まるわけがありません。貯めているうちにFIREどころか、定年退職になってしまう可能性が大です。でもお金を貯める努力と投資の力を借りればできる。預貯金の金利が0・002%と限りなくゼロに近い昨今でも、投資を利用すれば「1年の生活費の25倍の資産」を貯めることが可能です。もちろん、いくら投資に回すか、その金額にもよりますが……。
とはいうものの、いくら投資の力を借りても、2〜3年では貯まりません。が、10年、15年、20年と時間をかければ可能に。少なくとも定年前には貯めることができると思います。
そもそもFIREとは、投資ありき、投資が大前提になっているライフスタイルです。投資すれば、資産を貯めるスピードを加速できるだけではなく、資産を取り崩して生活しても資産を長持ちさせることができるのです。
つまり、今の時代のように利息がほぼ0円の預貯金だと、取り崩したらその分資産がどんどん減っていき、年間生活費の25倍の資産を作っても、25年で底をついてしまいます。でも資産運用しながら取り崩せば、運用で得る利益で取り崩した分を補てんして、資産を長持ちさせることができます。
FIREというライフスタイルや考え方が日本で認知され始めてから、まだ日が浅いので、未知数の部分は当然あります。「机上の空論」かもしれません。でもそういったリスクを考えても、挑戦してみる価値がFIREにはあると私は思いました。
著=まな/『知識ゼロからのサイドFIRE 8年で7000万円貯めた子育てママのお金の増やし方』