「まるで雲の間に隠れた月のよう(涙)」友達を大切に思う気持ちを月にたとえた紫式部【百人一首を覚えよう】/のびーる国語 百人一首(9)

雲の間に隠れた月のようじゃない!

作者は農民じゃないの? 「粗末な小屋で夜露にぬれる」と詠んだ意外な人物【百人一首を覚えよう】/のびーる国語 百人一首(1)
『のびーる国語 百人一首』9話【全12話】


『百人一首』は、飛鳥時代から鎌倉時代の間に作られた和歌の中から、藤原定家がよりすぐりの百首を選んでまとめたもの。古典に馴染みがない人も、小野小町や在原業平(ありわらのなりひら)、菅原道真、紫式部といった歌人の名前なら、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

今から約800年前の歌ではありますが、恋や人生観、美しい風景を見たときの気持ちなど、歌に込められた思いは、実は現代とそう変わらないものも。また、歌人のプロフィールや時代背景なども知れば、和歌の世界がぐんと身近に感じられるはずです。当時の人の心や考えに思いを馳せながら、気軽に百人一首の世界に触れてみませんか? 

※本記事は監修/吉海直人、カバー・表紙/ブラックインクチームの書籍『のびーる国語 百人一首』から一部抜粋・編集しました。


めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲隠れにし 夜半の月かな

和歌が作られた時代/平安時代中期
和歌が収められた歌集名/新古今和歌集

作者 紫式部/970?~1020?年

大弐三位(だいにのさんみ)の母。中宮彰子(ちゅうぐうしょうし)に仕え、宮中でも活躍した。『源氏物語』『紫式部日記』の作者。

語句を深ぼり!

めぐり逢ひて/雲隠れ=「月」に関係のある縁語。
夜半=夜中。

『源氏物語』の作者、紫式部

行かないで!


これも覚えておこう!

源氏物語=紫式部が書いた物語。 光源氏と周りの女性たちとの恋愛関係を中心に、光源氏の一生とその後の物語がえがかれている。
紫式部日記=紫式部が中宮彰子に仕えていたころに書いた日記。他の中宮に仕えていた女房たちの評価の中に、和泉式部や清少納言の悪口なども書かれている。

友達を大切に思う気持ちを月にたとえた紫式部

大切な女友達への思い

プラスα
『源氏物語』は、当時から評判が高く、宮中にたくさんの読者がいたんだよ。今でいえば、大ベストセラーだね。

著=吉海直人、ブラックインクチーム/『のびーる国語 百人一首』

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