親子で楽しく話す、書く! 「アウトプット」で学習内容が定着してくれる?

#育児・子育て   

小学生の子どもを持つ保護者の方の中には、「勉強を好きになってほしい」「自分から進んで勉強して学力を上げてほしい」と、思っている人も多いのではないでしょうか。

でも、「学校や塾で授業を聞くだけ」「ただ教科書を読むだけ」では、じつは学習内容は頭に残りにくいのだとか。

知識をしっかり定着させるためには、インプットした知識を「外に出す」ことが大切。教育評論家の親野智可等先生は、定着率も高く、親子で楽しくできる「アウトプット学習」の具体的な例を教えてくれます。

※本記事は親野智可等著の書籍『自分で話せて書けるから、やる気倍増! 外に出してどんどん伸びる「アウトプット勉強法」』から一部抜粋・編集しました。

外に出すこと(=アウトプット)で、知識が頭に残る!

「勉強」というと、「授業を聞く」「黙って教科書を読む」、そして問題を解くといったことをイメージしますよね。

「聞く」「読む」というのは、「インプット学習」と呼ばれます。この方法では、学習内容がどれくらい頭に残るかを表した「定着率」は5〜10%ほどです。

一方で、「グループ討論」や「自分で体験する」「人に教える」といった「アウトプット学習」に分類されるものの定着率は、50%以上。つまり、インプットしたことを頭で整理して、話したり教えたりすることで、しっかりと頭に残るのです。考えたことを文章にして書いたり、図やイラストなどで描いて表現したりすることでも、同じです。

おうちですぐに実践できる、おすすめの「アウトプット勉強法」

ここでは、「アウトプット勉強法」をいくつかご紹介します。

アウトプット勉強法1:子どもに今日あったことを教えてもらいましょう

日常の会話も、立派な「アウトプット学習」です。その日にあったことや、授業で習ったことを、子どもにたくさん話してもらいましょう。
そのときにかけたい言葉が「〜を教えて?」です。お父さん、お母さんにやさしく聞かれると、普段あまり話さない子どもでも、自分から話したくなります。

子どもに今日あったことを教えてもらいましょう


アウトプット勉強法2:おもしろい読み方でどんどん音読させましょう

おうちでできる「アウトプット学習」の一つが、学校の宿題の定番「音読」です。文章を声に出して読み、音として受け取ることで、その内容が定着するのです。
もしかしたら、ふざけておもしろい読み方で音読する子どももいるかもしれませんね。そんなときは「おもしろいね」と言って、どんどんやらせましょう。社会や理科の教科書の音読もおすすめです。

おもしろい読み方でどんどん音読させましょう


アウトプット勉強法3:オリジナルの文章問題を作りましょう

計算式から文章問題を、保護者の方が作ってあげたり、子ども自身が作ったりするのも、楽しい「アウトプット学習」です。
家族や友だちといった身近な人を登場させると、想像が膨らみ、おもしろい文章問題が作れます。解くときも、状況をイメージして楽しく解くことができますよ。

オリジナルの文章問題を作りましょう


「アウトプット勉強法」で大切なのは、子ども自身が「楽しい」と感じ、自分から「やりたい」「やってみよう」と思うこと。そして、保護者の方や大人がたくさん褒めて応援することです。
そうすることで、子どもの好奇心が刺激されて興味が広がり、学力アップにつながります。

文=色川篤実

【著者プロフィール】
親野智可等(おやの・ちから)
教育評論家。本名 杉山桂一。長年の教師経験をもとに、子育て、親子関係、しつけ、勉強法、家庭教育について具体的に提案。各種SNSやブログ、メルマガや各種メディアの連載などで発信している。著書にはベストセラーも多い。

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