朝起きると妻が呼吸していなかった…原因不明の突然死で妻を亡くした39歳シングルファザーの後悔

ベッドから落ちた妻は呼吸が止まって…

ある日突然たいせつなパートナーがいなくなってしまったら…そんな想像をしたことはありますか?
ユーチューバーのりゅーちゃんねるさんはある日、ドンッ…という大きな音で目が覚めたといいます。
音の方を向くとベッドで隣に寝ていたはずの妻の姿が見えません。慌てて飛び起き、妻の様子を見ましたが意識はなく…。その日から、りゅーちゃんねるさんの生活は一変したといいます。

「突然いなくなったら、ありがとうもごめんも言えない。当たり前の日々はどれほど幸せだったのか」
大切な人を失い、シングルファーザーになったりゅーちゃんねるさんの苦悩や後悔、のこされた幼い息子さんとの日々をうかがいました。

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これはまずいんじゃないか。妻の呼吸が止まりかけている…

りゅーすけさん「妻との出会いはネットの掲示板でした。標準語の書き込みばかりの中に方言バリバリの書き込みがあったんです。それでなんとなく気になってメールを送ったのがきっかけです。寡黙な私と正反対な、妻の明るいところに惹かれて付き合うようになりました。結婚生活では、ワーキャー騒ぐ天然な発言が多くてよく笑わせてもらいました」。

結婚し、子宝にも恵まれたりゅーすけさんとえいこさん夫妻。ご本人いわく「ややコミュ障」で言い争いが嫌いなおっとりとした性格の持ち主のりゅーすけさん、明るく活発な性格のえいこさん、息子さんの3人で「いわゆる普通の家族」として日常を送っていたそうです。
当時、りゅーすけさんは39歳、妻のえいこさんは37歳、息子さんは2歳。このまま平和で幸せな日々が続くかに思えましたが、別れは突然やってきたのでした。

8月のある暑い夏の日の朝、「ドンッ」という音が…。「寝返りでもしてベッドから落ちたのかな?」と思ったりゅーすけさんですが、心配になってのぞきこむとそこにはうつぶせになっている妻えいこさんがいました。仰向けにすると苦しそうな顔が…「これはまずいんじゃないか」そう思ったといいます。

呼吸が止まりかけていることに気づき、慌てて転がるように隣の義実家に駆け込んだりゅーすけさん。看護師の義姉と義母が裸足でかけつけ、気道確保と心臓マッサージをすると、えいこさんは一瞬息を吐いたそうです。なかなか来ない救急車を待つ間、りゅーすけさんは「看護師のお義姉さんが偶然実家にいて、心臓マッサージをしてくれて、いろんな偶然が重なって助かるはず、また妻と話せる…その時はそう信じていました」と語ります。

息をしていない!


「ごめんね」が言えなかった後悔

妻・えいこさんが倒れる前夜、ちょっとした喧嘩をして「ごめんね」が言えなかったことを後悔していると語るりゅーすけさん。
普段、息子さんをお風呂にいれて寝かしつけをするのはりゅーすけさんで、週に一度は妻のえいこさんが担当するというルールがありました。りゅーすけさんに代わってほしいというお願いがしばらく続いたため、ちょっとした言い争いになってしまったといいます。
そこでえいこさんが話したのは、「寝かしつけができなかったのは、夫を亡くしたばかりの義姉の様子を見に行っていたこと」「姪っ子と遊びながら励ますためだった」という理由でした。それを知ったりゅーすけさんは心の中で「知らなかった、ごめんね」と思ったものの、自分の思いを伝えるのが苦手なため、言葉で直接えいこさんに「ごめんね」を伝えることはできませんでした。

そして夜中。風邪をひいていたという息子さんは寝苦しそうで、寝ては起きるを繰り返していたそうです。朝6時すぎ「ママおるよ~」という息子さんに優しく声をかけるえいこさん。
「それが最期の妻の声でした」

病院で告げられた「脳死状態」

救急車で運ばれたえいこさん。希望をもっていたりゅーすけさんに医師からの残酷な言葉が響きます。
「覚悟してください。心臓は動き出しましたが意識はなく自発的に呼吸ができない状態です」
「だいぶ脳にダメージがあり、脳死状態ということになります」
そんなことがあってたまるか!とその時の状況を信じられなかったというりゅーすけさんは、「早く目を覚まして家に帰ろう」えいこさんが集中治療室にいた2週間の間、ずっとそう語りかけていたそうです。

りゅーすけさん「基本的に悪いようには考えていませんでした。今日は病院に行ったら何を話そうかなとか、何の曲をかけようかなとか…。排尿をしなくなったので、体がどんどん浮腫んでいってしまい、どうにか刺激を与えたら出るようにならないかな、ということも考えていました」
えいこさんは排尿ができないため、全身が水分でパンパンになってしまい、元の顔の形とは変わっていってしまっていたそうです。
そして…ついに危篤状態となり、息をひきとりました。

無情にも妻は目を覚まさなかった

妻えいこさんの突然死の原因は不明だったという

医師からは「なぜ突然心肺停止になったかはわかりません。脳梗塞や心筋梗塞などであればCTを見ればわかるので、それではありません。可能性としては不整脈ですが、倒れる以前に検査をしていないのでそれもわかりません」と告げられ、結局死因は原因不明のままだったそうです。


まさか妻が突然死するなんて…

りゅーすけさん「当時は、慌てていて冷静な判断が出来なかったと思います。どこか現実では無いような、でもふと1人になる時間だったり、知り合いが心配して声を掛けたりしてくれると、我慢できず涙が溢れてくるような状態でした。
心電図の機械がピーーという音とともに波形が直線になってしまった時や、葬儀の棺桶にいる妻を見た時、火葬をした後、死亡診断書の書類を見た時、戸籍謄本の妻の欄に死亡という文字が書かれているのを見た時は『本当にいなくなってしまったんだ』と思ったのですが、妻がいなくなったことが信じられなかった、というのが本音です」

最期は家族に見守られて息を引き取った…。死因は原因不明だった


妻がいなくなった家で…彼女の明るさを思い知らされた

りゅーすけさんは現在、シングルファザーとして息子さんを育てています。

りゅーすけさん「一番辛かったことは、家が静かになってしまったところでしょうか。私はあまり喋るタイプではないので、妻がいた事でどれだけ家の中が明るかったのかということを思い知らされました」

彼女の明るさが家を照らしていた


現在、りゅーすけさんはYouTubeで息子さんとの日常を配信しています。

りゅーすけさん「他のシングルファザーの方の動画を見て、こんな形で今の状況や子どもとの生活とかを記録に残せたらいいな、と思って動画配信を始めました。優しい方がとても多く、周りを頼って、頑張りすぎないでといった心配の声や、息子との日常を配信してくれてありがとうというお礼の言葉だったり、分からない事へのアドバイスであったり、コメントを読むのがとても楽しみです」

・・・・・

原因不明のまま大切な人が突然いなくなってしまうという、残酷な事実。
突然死で妻を亡くしたりゅーすけさんは「妻が元気だった頃にもし戻れるとしたら…いっぱい話をしたいです。いつどこで何が起こるか分かりません。後悔しないように、ご家族、身近な人との時間を大切にしていただきたいです」と語ります。

いつでも「ごめんね」がいえる、いつもの日常が明日もやってくる…それは当たり前のことではない、改めて「今の大切さ」を思い知らされます。

【編集部YYY】

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