まずは「モヤモヤ」をクリアにしよう !
子どもが動画やゲームに熱中すると、「なんとなく良くない気がする」そう思っている大人は多いはず。なんとなく食事中は見ない方がいい、なんとなく寝る前はやめさせたい、なんとなく外でゲームするのってどうなの? …など。だから「もうやめたら?」と曖昧に注意してしまいますが、まずはその「なんとなく」というモヤモヤをクリアにしてみることをおすすめします。
適当な注意をしていませんか?
ひと昔前、今の親世代がよく言われたのは「テレビばっかり見てないで本を読みなさい」というセリフ。そう言われて言うことを聞いた人がどのくらいいるでしょうか。それは親の注意の根拠がはっきりしないので、「親も適当に注意してるなー」と聞き流していたからかもしれません。
子どもが手放したくないくらい大好きなこと(ゲームやスマホ)に一定の制限をかけるのであれば、こちらもそれなりの根拠をもたないと届かないはずです。
「どういう行為」が「どうして心配 ?」
さて、何が心配なのか? それはどうしてなのか? を考えてみましょう。
例えば子どもの「モヤモヤ行為」に基づくモヤモヤポイントは、こんなものがありませんか?
〇動画より映画を観てほしい
〇ゲームより外で元気に遊んでほしい
〇スマホより本を読んでほしい
〇勉強してほしい
多くの人が「そうそう!」とうなずく姿が見えるようです。
次にその行為にどうしてモヤモヤするのか考えてみましょう。
【「モヤモヤポイント」を整理しよう】
〇モヤモヤポイント1「動画より映画を観てほしい」
→どうしてモヤモヤするの?
映画の方がタメになる/映画の方が思い出に残る/映画を一緒に観たい など
〇モヤモヤポイント2「ゲームより外で元気に遊んでほしい」
→どうしてモヤモヤするの?
丈夫な体になってほしい/日の光を浴びてほしい/季節を感じてほしい など
〇モヤモヤポイント3「スマホより本を読んでほしい」
→どうしてモヤモヤするの?
本の方がタメになる/紙の方がいい気がする/想像力が育つ
目が悪くなる など
〇モヤモヤポイント4「勉強してほしい」
→どうしてモヤモヤするの?
成績が下がっている/成績が下がるのが心配/子どもの仕事は勉強だから など
モヤモヤするポイントに対して「どうして?」を洗い出して整理すると、注意するポイントも見えてきます。モヤモヤを解消するためには、例えば、映画の素晴らしさを知るには映画を観て心が動かされた経験が必要です。同じように、外遊びで楽しかったり、本を読んで感動したりした体験があってこそ、それらの選択肢が増えていくのです。そのためには、
〇映画の素晴らしさを知るために一緒に観る
〇外遊びに誘い出す
〇本を一緒に読んだり読んでいる姿を見せたりする
〇勉強するための静かな環境を整える
また、ゲームをせずに勉強しなさいというのは厳しすぎる気がします。「先に勉強してからならOK」「隔日ならOK」など、親子でルールを決めてはいかがでしょうか。
ただ「こうなってほしい」と思うだけでは、手軽で飽きのこないゲームやスマホから子どもを離すことはできません。親として子どもの生活にどう向き合っていくか、考えるきっかけになるはずです。
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生活のすぐそばにある、デジタルメディア。ただ禁止にするのではなく、どうやって関わっていくかを親子で考えることが大切ですね。
※本記事はアベナオミ著、森山沙耶監修の書籍『うちの子、ゲームして動画ばっかり見てますけど大丈夫ですか!? もしかしてデジタル依存!? と思ったら』から一部抜粋・編集しました。
著=アベナオミ、監修=森山沙耶/『うちの子、ゲームして動画ばっかり見てますけど大丈夫ですか!? もしかしてデジタル依存!? と思ったら』