国の制度はフル活用が大前提
安心して! 日本では全員が医療も介護も公的保険に加入
お笑いコンビ・メイプル超合金の安藤なつさんと、介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんの会話形式でわかりやすく「介護」のリアルと乗り切るコツをお送りします。
CHECK!
・病気の費用は「医療保険制度」で負担減
・介護の費用は「介護保険制度」で負担減
安藤なつ(以下、安藤):「お金」について気になるので聞いてもいいですか? 身の回りのお世話は、介護サービスを使うということですが、お金ってどのくらいかかるものでしょうか?
太田差惠子(以下、太田):ここでは、ざっくり大枠のお話をしますね。介護にかかわるサービスを使うためには、もちろんお金がかかります。でも、日本には、「介護保険制度」というのがあって、介護サービスにかかる費用を補助してくれます。これは、日本に住んでいる40歳以上の人のほぼ全員が使えます。
安藤:そうなんですか!
太田:この制度を使うことで、実際にかかる費用の1割負担すればOK(所得によって、2~3割の場合あり)。たとえば、1万円の介護サービスを使った場合、支払いは1000円で済みます。
安藤:ええーーっ! てことは、9000円もおトクになっちゃうってことですか! おトク感半端ないっす。
太田:もう1つ。これは、「医療保険制度」についても、説明させてください。
高齢になると、当然ながら、病気などで、病院にかかる頻度も高まりますよね。病院にかかったときに、実際に支払う金額は、69歳までは、子ども世代と同じ3割負担ですが、70~74 歳は2割、75歳以上になると1割と、負担が軽くなっていきます(所得によって2~3割の場合もあり)。
安藤:つまり、年齢が上がるほど、費用負担が軽くなるってことか。年を取るほど、費用の負担もきつく感じそうだし、きちんと理解しておくことで、不安が和らぎますね。
太田:さらに、介護費も医療費も人によってそれぞれ、支払い上限額というものが決まっていて、その金額を超えた部分は、戻ってくる制度があります。まずは、一定額までは自分で払わなくちゃいけないけど、後は国が何とかしてくれる、ということを覚えておいてください。
安藤:わかりました! ありがとう!日本という感じですね。
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介護については「自分が何とかしなければ」と孤独になってしまいがち。
でも実はプロに頼ったり、悩みをシェアすることで最新の情報が得られたり、心や金銭的な負担が軽くなることも。ひとりで抱えこまず、できるだけ周りを頼りたいものですね。
プロフィール
安藤なつ(メイプル超合金)
1981年1月31日生まれ。東京都出身。2012年に相方カズレーザーと「メイプル超合金」を結成。ツッコミ担当。2015年M-1グランプリ決勝進出後、バラエティを中心に女優としても活躍中。介護職に携わっていた年数はボランティアも含めると約20年。ヘルパー2級(介護職員初任者研修)の資格を持つ。2023年介護福祉士の国家試験に合格。厚生労働省の補助事業『GO!GO!KAI-GO プロジェクト』の副団長を務める。
太田差惠子(介護・暮らしジャーナリスト)
京都市生まれ。1993年頃より老親介護の現場を取材 。「遠距離介護」「高齢者施設 」「仕事と介護の両立」などをテーマに執筆や講演を行っている。AFP(日本FP協会認定)資格を持ち、「介護とお金」についても詳しい。「Yahoo! ニュース エキスパート」オーサーなどでも活躍中。『親が倒れた! 親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと第3版』(翔泳社)など著書多数。
※本記事の情報は2024年6月現在のものです。法令や条例等の改正などにより、内容が変更になる場合があります。
著=安藤なつ(メイプル超合金)、太田差惠子/『知っトク介護 弱った親と自分を守るお金とおトクなサービス超入門 第2版』