実家の両親、大丈夫...? 恐ろしい「2大犯罪」から親を守るためにできること

親を犯罪から守るため、防犯について親子で話してみませんか?

詐欺のニュースを耳にするたび、心配になるのは離れて暮らす親のこと。お盆の帰省で久しぶりに会って、歳をとった姿に不安を感じてしまった...という人も多いのでは?
親を犯罪から守るため、今できる対策をしっかり行ないたいものですよね。

今回は、防犯アドバイザーの京師美佳さんに注意すべき2大犯罪についてお聞きしました。

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京師美佳さん:防犯アドバイザー、犯罪予知アナリスト、防犯設備士。セキュリティ企業、防犯ガラスメーカー勤務を経て独立。テレビや雑誌などを通じて、住まいの防犯からネット関連、子どもの防犯など、幅広く啓もう活動を行なっている。著書に『60歳から絶対やるべき防犯の基本』(主婦の友社) ほか。

▶︎教えてくれたのは
京師美佳さん
防犯アドバイザー、犯罪予知アナリスト、防犯設備士。セキュリティ企業、防犯ガラスメーカー勤務を経て独立。テレビや雑誌などを通じて、住まいの防犯からネット関連、子どもの防犯など、幅広く啓もう活動を行なっている。著書に『60歳から絶対やるべき防犯の基本』(主婦の友社) ほか。


犯罪の舞台は今「地方」に移っている

離れて暮らす親が犯罪の被害に遭わないか、心配している人は多いもの。防犯アドバイザーの京師美佳さんによると、実際に高齢者が詐欺や強盗の被害に遭う割合は増えており、なかでも最近目立つのが地方での被害だといいます。
「犯行グループが、都市部の資産家だけを狙っていてはこれ以上稼ぎが増えないからとターゲットを拡大。地方の一般的な家庭まで狙うようになったんです」
しかし、親世代の中には自分を過信して、「うちは大丈夫」と思ってしまう人が多いのも事実。そういった親を犯罪から守るには、何をすべきでしょうか。
「『最近はこういう犯罪が増えているんだよ』とさりげなく会話の中で注意喚起をしたり、プレゼントという形で防犯アイテムを導入するなど、子ども側からの積極的な働きかけが必要です。今や日本全国、どこに住んでいても防犯対策をしないという選択肢はありません。油断せず、しっかり防犯対策を行ないましょう」


注意すべき犯罪その1:強盗

注意すべき犯罪その1は強盗!

都会はお金持ちがターゲット。地方は一般宅の数万円が狙われる

「昨年までは都市部のお金持ちを狙った組織的な犯行が多かったのですが、ことしに入って増えているのが地方での強盗事件。前者の狙いは多額の現金や貴金属でしたが、後者は日銭程度の現金が奪えればいいという考えなので、相手がお金持ちであろうとなかろうと関係ない。今や普通の家庭も強盗に狙われる時代になっているのです。狙いも犯行グループの形態も両者では全く異なりますが、殺人もいとわないという手口は共通しています」

注意すべき犯罪その2:特殊詐欺

注意すべき犯罪その2は特殊詐欺!

今、狙われているのは地方。地域別で実行犯の募集も

「コロナ禍には減っていた特殊詐欺の被害が、経済が回りだしたとたん増加。なかでもSNSやインターネットを利用した詐欺が急増していますが、オレオレ詐欺による被害もいまだに増えています。特に最近では、強盗同様、地方に犯行の場が移行していて、方言が話せるかけ子をSNSで募集するケースも。そのほかにもAIを使って家族の音声を合成し、電話をかけてだますなど、手口はますます巧妙化。詐欺の手口は日々進化しているのです」


親を犯罪から守るために覚えておきたい3つのポイント

親とコミュニケーションを取る

子どもに心配をかけたくないと考える親は多く、犯罪被害に遭っても黙っていることが多いそう。
「日頃から会話をしていれば、親のささいな変化にも気づきやすく、犯罪を未然に防げる場合も。『何かあったら相談してね』という声かけも重要です」

親の住環境が整っているか確認

強盗は無作為に家に侵入しているのではなく、入りやすい家に狙いを定めています。「庭が荒れていたり、ポストに郵便物がたまっている家は防犯意識が低いと見なされ、狙われやすい。住環境を整えて、防犯意識の高い家だと思わせることが大切」

「自分は大丈夫」に注意する

犯罪全般において、「自分は大丈夫」と思っている人ほど被害に遭いやすいのだそう。「そういう人の多くは自分の知識を過信しているため、だまされそうになってもそれが自分の知らない手口だと、『これは詐欺ではない』と判断。だまされてしまう傾向が」

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どんな犯罪も恐ろしいものですが、強盗が増えているというのは恐怖でしかありません。離れているからこそコミュニケーションをしっかりとって、防犯について意識を高め合いましょう。

イラスト/さかがわ成美 取材・文/恩田貴子

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