ライフステージで変化する女性ホルモン。減少が不調の原因に/死んでも女性ホルモン減らさない!(5)
その症状、女性ホルモンのしわざかもしれません。
突然噴き出して止まらない汗、些細なことから始まるイライラ、急な体重の増加…自分でコントロールできない症状に悩まされていませんか? そんな様々な症状に悩んでいた著者・葉石かおりさんが診断されたのは「若年性更年期」。女性ホルモンのバランスが崩れたことで引き起こされていたものだったのです。
なんとなく不調を感じている方はもちろん、間もなくかもと不安を覚えている方やまだまだと思っている方も知っておきたい、女性ホルモンとの付き合い方をご紹介します。
ライフステージによって変化するエストロゲン量
女性のカラダは、各ライフステージによって分泌量が変わるエストロゲン(卵胞ホルモン)に大きく左右されます。思春期に始まる生理を皮切りにエストロゲンの分泌が高まり、性成熟期(20代前半~30代前半)をピークに、その後徐々に減り始め、40代半ばの更年期から一気に低下。このエストロゲンの急激な変化こそが、さまざまな不調の主たる原因と言われています。ここでしっかり自分のカラダと心に向き合うことで、後に迎える老年期のQOL(生活の質)が変わってきます。
【更年期とは】
閉経を挟んだ10年間のこと。カラダと心の不調を軽視せず、「おかしいな」と思ったら婦人科を受診しましょう。
女性ホルモンの減少が不調の原因に
女性ホルモンは、脳によってコントロールされています。ホルモン全体の総司令官的な役割を担っているのは、脳の中にある視床下部という場所。そこから「ホルモンを出して」という指令が卵巣に届くと、卵巣からエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌されます。
若い頃はこのような脳と卵巣の連携がスムーズに行われますが、年を重ねると、卵巣機能が低下するため、脳から「ホルモンを出して」と指令が届いても、ホルモンが分泌されなくなります。指令通りにいかないと、脳は混乱して暴走。自律神経や免疫系も影響を受け、ホットフラッシュなどをはじめさまざまな不調が起こるのです。若くても、大きなストレスや過度のダイエットで視床下部がダメージを受けると、更年期のような症状が現れることがあります。
<著者>葉石かおり
エッセイスト/フェムテックエキスパート
ラジオレポーター、女性週刊誌の記者を経て現職に。2018年より「酒と健康」を核に「日経gooday」にて医師に取材した記事を寄稿。『酒好き医師が教える最高の飲み方』『名医が教える飲酒の科学』がシリーズ累計18万5000部のベストセラーに。イギリス、イタリアをはじめ海外でも翻訳出版される。若年性更年期の経験・フェムテックエキスパート・著書『死んでも女性ホルモン減らさない!』の著者としての視点から、“更年期を幸年期に!”をテーマに各企業でセミナー、講演活動を行う。NHKスペシャル、朝日新聞などのメディアにも出演。2024年3月、京都橘大学健康科学部心理学科を卒業(通信)。認定心理士の資格を生かし、酒と心身の健康、アルコールハラスメントやコンプライアンスをテーマにした講演、社内研修、セミナーを各社で行っている。
<監修者>吉野一枝
よしの女性診療所院長/産婦人科医
臨床心理士の資格をもち、社会経験を生かした、女性の心の悩みに寄りそう治療に定評がある。日々の診療の傍ら、「女性医療ネットワーク」や講演、各種メディアを通して、女性の健康の啓発のために積極的に活動を行う。著書に『母と娘のホルモン Lesson』(メディカルトリビューン)、『40歳からの女性のからだと気持ちの不安をなくす本』(永岡書店)などがある。
※本記事は葉石かおり著の書籍『死んでも女性ホルモン減らさない!』から一部抜粋・編集しました。
著=葉石かおり/『死んでも女性ホルモン減らさない!』
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