地球と似ていても大違い!「金星」は硫酸の雨が降っている!?/人類なら知っておきたい 地球の雑学(13)
地球上で起きていること、どれだけ知っている?
この地球で当たり前に感じていることでも、うまく説明できないことがありますよね。例えば、「青い空が夕暮れに赤く染まるのはなぜ?」「台風が日本列島めがけてやってくる理由は?」
そんな地球に生きる私たちが知っておくべき「理系雑学」をご紹介します。太陽系を含む地球の歴史をはじめ、地球上で成立した大自然や気候、動植物、資源など、地球をめぐる大疑問にスッキリ回答!あらためて考えると、私たちはこの地球にまつわるさまざまなことを、じつはほとんど知らないのかもしれないかもしれません。
※本記事は雑学総研著の書籍『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から一部抜粋・編集しました。
実は硫酸の雨が降る⁉ 「金星」の環境
地球のすぐ内側を回っている金星は、太陽系の創生期に、地球と似た姿で誕生した惑星と考えられている。その直径は地球の0.95倍、重さは地球の0.82倍。さらに、その内部構造も地球とほぼ同じであると推測されていることから、金星は地球の「双子星」「姉妹星」などといわれている。
ただし、似ても似つかないのがその環境だ。
金星は厚い大気に覆われているが、そのほとんどが二酸化炭素である。その結果、非常に強い温室効果がはたらくため、金星の表面の温度は昼も夜も460℃と、太陽により近い水星よりも高くなっている。しかも、大気中には硫酸の粒でできた雲が数キロメートルもの厚さで広がっていることから、太陽からの光は直接金星に届かない。加えてその雲からは、硫酸の雨が降ってくるが、金星の地表があまりにも高温なため、地表に届く前に蒸発してしまう。
金星の探査は、1961年に旧ソビエト連邦が打ち上げたベネラ1号に始まるが、翌年にはアメリカがマリナー2号を打ち上げるなど、その後も多くの探査機が投入され、さまざまな調査が行なわれている。
日本からも、2010年に金星探査機「あかつき」が打ち上げられたが、エンジンの故障が原因で、いったんは金星の軌道投入に失敗。しかし、5年も太陽を周回し、再び金星に接近した2015年12月、姿勢制御用エンジンを噴射することで、ついに軌道投入に成功する。「あかつき」は、現在も金星の重力圏を周回しながら観測を行なっているが、2017年8月には、これまで知られていなかった金星のジェット気流を発見し、大きな話題となった。
著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』
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