地球最大の肉食恐竜「ティラノサウルス」の意外な事実/人類なら知っておきたい 地球の雑学(21)

恐竜の王者、ティラノサウルス

地球と太陽、誕生のひみつ。地球はいつ、どうやってできたのか?
『人類なら知っておきたい 地球の雑学』21話【全149話】


地球上で起きていること、どれだけ知っている?

この地球で当たり前に感じていることでも、うまく説明できないことがありますよね。例えば、「青い空が夕暮れに赤く染まるのはなぜ?」「台風が日本列島めがけてやってくる理由は?」

そんな地球に生きる私たちが知っておくべき「理系雑学」をご紹介します。太陽系を含む地球の歴史をはじめ、地球上で成立した大自然や気候、動植物、資源など、地球をめぐる大疑問にスッキリ回答!あらためて考えると、私たちはこの地球にまつわるさまざまなことを、じつはほとんど知らないのかもしれないかもしれません。

※本記事は雑学総研著の書籍『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から一部抜粋・編集しました。


恐竜の王者、ティラノサウルスの足は速くなかった⁉


ティラノサウルスは白亜紀後期、北アメリカに生息していた地球上で最大の肉食恐竜である。1メートル以上にもなるあごが特徴で、噛(か)む力(咬合(こうごう)力)は3万5000~5万7000ニュートン。人間の男性の噛む力は平均261ニュートン、女性は173ニュートンであることからも、そのすさまじい力を想像することができる。

ほかにも、ティラノサウルスは体長およそ12メートル、体高4.6~6メートルだったことが化石によって明らかになっているが、走る速度については、古生物学者のあいだで長きにわたって論争が繰り広げられてきた。これまでの推定によると、最高時速は18~54キロメートル。世界最速の人間でも時速約37キロメートルであることから、仮に人間がティラノサウルスに追いかけられた場合、走って逃げることは難しいとされた。

しかし、コンピューター・モデルを使った最新の研究によって、ティラノサウルスは広く信じられているほど俊足ではなかったことが明らかになってきている。

英マンチェスター大学の古生物学者ウィリアム・セラーズ氏らの研究チームが、新たなモデルを開発するにあたって考慮した要素は、骨にかかる「応力」だ。応力とは、単位面積あたりに作用する力の大きさのこと。骨は、走っているときにある程度までの負荷には耐えられるが、それを超えると砕けてしまうことから、この数値を計算に入れ、解析を行なったのである。

その結果、ティラノサウルスの走る速さは最高でも時速27キロメートル前後。それ以上の速度で走った場合、足の骨が粉々に砕けてしまうことが判明したのである。

著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』

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