「梅雨」がくるのはヒマラヤ山脈のせい⁉ 天気との意外な関係性

日本では、初夏のさわやかな時期はひどく短い。

地球と太陽、誕生のひみつ。地球はいつ、どうやってできたのか?
『人類なら知っておきたい 地球の雑学』65話【全149話】


地球上で起きていること、どれだけ知っている?

この地球で当たり前に感じていることでも、うまく説明できないことがありますよね。例えば、「青い空が夕暮れに赤く染まるのはなぜ?」「台風が日本列島めがけてやってくる理由は?」

そんな地球に生きる私たちが知っておくべき「理系雑学」をご紹介します。太陽系を含む地球の歴史をはじめ、地球上で成立した大自然や気候、動植物、資源など、地球をめぐる大疑問にスッキリ回答!あらためて考えると、私たちはこの地球にまつわるさまざまなことを、じつはほとんど知らないのかもしれないかもしれません。

※本記事は雑学総研著の書籍『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から一部抜粋・編集しました。


日本に梅雨がくるのは、ヒマラヤ山脈のせい⁉ 意外な関係性


日本では、初夏のさわやかな時期はひどく短い。じめじめした梅雨が始まり、やっと終わったかと思うと暑い夏になってしまうからだ。

梅雨は、オホーツク海高気圧の冷たく湿った空気と太平洋高気圧の暖かい空気が日本の上空でぶつかることで起こる。勢力が同等の冷たい空気と暖かい空気の境目が梅雨前線で、不安定な空気は雨をもたらし、前線が停滞するために長く続く。

だが、世界のほかの地域で同じように寒気と暖気がぶつかる場があっても、梅雨のような長雨にはなっていない。梅雨は東アジア独特の現象なのである。そしてその原因は、平均高度が4000メートルを超えるヒマラヤ山脈とチベット高原にあるといわれている。

この時期にオホーツク海高気圧が発生するのは、西から吹くジェット気流の流れの変化による。冬にヒマラヤ山脈の南側を通っていたジェット気流は、春に北側に移動すると、ヒマラヤ山脈とチベット高原にぶつかって二手に分かれる。北の流れは大気を冷やし、南の流れは大気を暖め、日本の東の海上で再び合流して高気圧をつくり出す。

また、このジェット気流の蛇行がオホーツク海高気圧を持続させる働きをするため、梅雨はなかなか明けない。もっと季節が進むと、ジェット気流はヒマラヤ山脈とチベット高原の北だけを通るようになり、海水温の上昇で勢力を強めた太平洋高気圧がオホーツク海高気圧を押しやって前線が北上し、ようやく梅雨は終わるのだ。

シミュレーションによると、もしもヒマラヤ山脈が今の半分の高さだったら、日本の雨量も半分程度になり、チベット高原の要素を外すと、梅雨は発生しなくなるという。

著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』

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