「デートは男性が奢るのが当然?」SNSで熱い議論を呼ぶテーマに正面から挑んだコミック作品の著者に聞く

SNSでもたびたび話題になるデートの時の支払い問題。
「男性が奢るのが当然?」
「ワリカンでなくてもいいけど男性に多めに出してほしい」
「奢るのは構わないけど、それが当然だと思うのは厚かましい」
「1円単位まできっちりワリカンにされると萎える」
「借りを作りたくないから奢られるのは嫌」
などなど、男女それぞれの立場からさまざまな意見が聞こえてきます。
世代によっても意見がわかれそうな、この「デートの時のワリカン問題」。ここからスタートするユニークなコミック作品が登場しました。それがコニシナツコさんの漫画『「女はおごられて当然」と思ってる昭和引きずり女が、婚活した話』です。
まずはこの作品のストーリーをご紹介します。
『「女はおごられて当然」と思ってる昭和引きずり女が、婚活した話』あらすじ
主人公は35歳まであと4ヶ月と迫った会社員の脇田アイコ。婚活アプリをでマッチングした会社員、こうき・29歳とデートすることになりました。

20代で年収600万円、結婚願望があるというプロフィールに惹かれて会ってみたものの、食事を終えるとこうきは「お会計1人4236円です」と1円単位までワリカンにしようとしました。これにドン引きしたアイコとこうきは言い合いになり、会計をめぐって意見が衝突します。

あまりに考え方が違いすぎて、もう連絡はこないだろうと思ったアイコでしたが、驚いたことにこうきからは次の誘いが…。

その後も、世間で言われるような女らしさや恋愛観に振り回されるアイコと、合理性や公平性にこだわり少々理屈っぽいこうきは、たびたび意見を衝突させます。
異なる価値観を持ちながらも、次第に距離を縮めていくふたりの関係が微笑ましいこのラブコメ作品。著者のコニシナツコさんにお話を伺いました!
著者・コニシナツコさんインタビュー
──タイトルの『昭和引きずり女』というフレーズがとても印象的でした。本作を描くことになった経緯を教えていただけますでしょうか?
コニシナツコさん: 叩かれるのが怖いのであまり言いたくないんですが、もともとアイコは自分自身がモデルです!私自身「男性には奢ってもらいたい」という気持ちが強かったのですが、以前こうきのように絶対に奢ってくれない男性とお付き合いしたことがあり、その時の経験がこの作品を描くきっかけになっています。
──なんと、ご自身の実体験がベースになっているのですね。
コニシナツコさん:当時はこの作品を描いていくことで彼の考えが理解できるかもしれない。作品も作れるし一石二鳥!と邪な気持ちで描き始めましたが、その彼とは執筆の途中で別れてしまいました(笑)今となってはこうきもアイコも元々のモデルから離れ独自のキャラクターとして成長しています。
──ふたりとも身近にいそうなキャラクターで面白いですね。
コニシナツコさん:元々、男性性、女性性の違いに面白さを感じることが多く、そういったテーマの作品を描きたいと思っていたので、そこに今回のキャラクターを乗せました。

──食事のワリカンに違和感を覚えたり、こうきが迎えに来てくれないことに不満を抱いたり、アイコの行動は「かつては当たり前とされていた価値観」にとらわれていますね。コニシさんが「これは古い価値観を引きずっているのでは」、と思うエピソードがありましたら教えてください。
コニシナツコさん:昭和、あるいはもっと前から?を引きずってるなあと思う風潮は、例えば結婚すると男性側の姓を名乗るのがまだまだ主流だったり、結婚式の挨拶は新郎や新郎の父だったりというのが疑問に思われなかったりするところなどですかね。実は私も、小中学校の頃は好きな人ができるたびにその人の苗字と自分の名前を組み合わせてこっそりノートの端に書いてみてときめいたりしていました。今の小中学生もそういうことするんでしょうかね…?
──「あるある」ですね(笑)。では、コニシさんご自身が最近「価値観がアップデートされた」と思うことがあったら教えていただけますでしょうか。
コニシナツコさん:奢り奢られ問題に関してはこの作品を描くことでかなりアップデートされたなと思います。ただやっぱり奢ってもらえたら嬉しいので、この辺りはまだ未熟なのか、それでもいいのか、自分自身悩み中です。自分の価値観を疑えるようになっただけでもまずはよしとしたいと思います。

──それでは、読者のみなさんへ、メッセージをお願いいたします。
コニシナツコさん:「奢り奢られ問題」はネット上で常に論争を巻き起こしていますし、アイコのように奢られたい派の女性は叩かれがちです。だから大きな声では言えないけれど、やっぱり「奢られたい」「養われたい」「自分でもよくわからないけどとにかく結婚したい」と思っている女性はまだまだ多いのではないかと思います。私はそういう女性たちを否定したいわけではありません。私自身もそうだったわけですから。ただ、アイコと一緒に考えてみて欲しい、そしてどう感じたかを教えてもらいたいです。読者と作者と主人公で、一緒に考えていける作品にしていきたいです。
* * *
作中でのアイコは、最初は世間の目や昔ながらの価値観に囚われていますが、こうきに影響を受けて「私も変わらなきゃ」と決意します。一方、こうきも「大事なのは正しさではなくて好きな人が喜んでくれるかどうか」と気づいて、少しずつ変化していきます。「奢り奢られ問題」で衝突したふたりの関係がどうなっていくのか、今後が楽しみですね。
取材=ナツメヤシ子/文=レタスユキ
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