「男性が奢るべき?」「ワリカンが当たり前?」SNSでの炎上をきっかけに生まれたラブコメ作品の著者に聞く
『「女はおごられて当然」と思ってる昭和引きずり女が、婚活した話』あらすじ

まもなく35歳になる会社員のアイコは、婚活アプリで出会った相手との初めてのデートに気合を入れて挑みます。上場企業勤務、年収600万円のITエンジニアというスペックの年下男性・こうき29歳に心躍りますが、1円単位まできっちりワリカンしようとした相手に驚きます。


思わず「普通は男性が出してくれたり、せめて『2000円でいいですよ』って言ってくれたり」とアイコが言うと、こうきも「同じ量の飲み食いをしたのに?」「何ならアイコさんのほうが高いお酒を飲んでいた」「伝票見ながら一緒に計算しなおします?」など反論してきました。
支払いをめぐって衝突し、もう次はないと思っていたアイコでしたが、意外にもこうきからは次の連絡が。

お互いの「当たり前」が違っていることでたびたび言い合いになるものの、常識にとらわれないこうきの価値観にアイコも次第に惹かれていきます。
お互いに歩み寄りながら関係を深めていくふたりの姿が微笑ましいこの作品、著者のコニシナツコさんにお話を伺いました。
著者・コニシナツコさんインタビュー

──アイコとこうきは出会った当初はまったく違う価値観を持っていますが、この物語の中でお互い変わっていきますね。意識をアップデートすることは容易ではないと思いますが、自分を変えることの難しさや方法について、ご意見をお伺いしたいです。
コニシナツコさん:アイコは自分自身がモデルだったとお伝えしましたが、私自身はこの作品を描くことで意識が少しずつアップデートされていきました。この作品の前身となる作品をSNSに上げたときに、賛否両論というか、様々な読者の意見を目にしました。中にはアイコに対してかなり攻撃的な言葉もあったので傷つきもしましたが、納得できる部分もあったりして、荒療治ですがそのおかげで過去の自分の考えがかなり偏っていたなと思うことができました。
ただ一般の方がSNSに自分の考えを書いて炎上を経験するというのはお勧めしないので…。常に「自分の考えは間違っている可能性がある」と思いながら生きることが大切かもしれません。正直、世の中に正しい答えなんてないと思っているので、時代や自分の状況で今正しいと思っていることも変わっていくな、ぐらいに考えています。感情的になっている瞬間はなかなかそう考えるのは難しいですが。

──本作では、アイコの結婚観も友人や両親と関わることで揺らいでいきます。今はいろいろな形、考え方がある結婚ですが、「結婚」についてご意見があればお伺いしたいです。
コニシナツコさん:「結婚」って、自分でもなんでしたいのかわからないけど、「しなくてもいい」とも思い切れなくて悩んでいる人が多いのではないかと思います。アイコのように養われたいから結婚したい、周りがそういう空気だから結婚したい。という理由の人もいるかもしれません。それに気づいて「じゃあしなくていいや」と思うならしなくてもいいし、それでも一度したければしてみるのもありだと思います。してみて、初めて気づくこともあるでしょうから。

──連載はまだまだ続きますが、この作品を発表した今のお気持ちを聞かせてください。
コニシナツコさん:本作は偏った価値観を持つキャラクターが登場するので、読者からは様々な反応があるだろうなと予想しています。少し怖くもありますが、とても楽しみでもあります。
私にとって初めての商業連載になるので、緊張していますが、たくさんの方に読んでいただけたら嬉しいです。
* * *
結婚観や恋愛観は時代によって少しずつ変わっていくもの。「男らしさ」「女らしさ」といった価値観もまた変化しています。そんな移り変わる価値観の中、自分を見つめ直しながら少しずつ仲を深めていくふたりの姿を、思わず応援したくなるラブコメ作品です。
取材=ナツメヤシ子/文=レタスユキ
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