美しく、壊れにくい。リサイクル可能な“やさしい傘”の人気の理由に迫る

#くらし 
傘の生地から細かい部品まで、すべてリサイクル可能!


ちまたで話題のあの商品。その誕生には思わぬドラマがあるのです。今回は、「+TIC(プラスチック)」のヒットの秘密を、商品担当者に教えていただきました。

 

「使い捨て文化」をなくして循環型社会を目指したい


【写真を見る】秘密その1 細部まで一貫した美しいデザイン


外出先で雨に降られたときに重宝するビニール傘。ワンコインで買えてありがたい反面、その安さゆえに、何となく軽く扱いがち。続けて大事に使うことってなかなかありませんよね。

長年、傘の販売に携わってきたサエラの代表取締役社長・山本健さんは、こうした傘の「使い捨て文化」を改善できないだろうかと考えていたといいます。そして生み出されたのが、強い風にも壊れにくく、さびない、そしてすべてのパーツをリサイクルすることが可能なオールプラスチックの傘「+TIC」でした。

 

商品担当の山本 健さん


「大量消費社会の中で、壊すため、捨てられるために作られているような安いビニール傘を見ていると、むなしくなってくるんですね。安いから買って捨てるという行動そのものが、傘だけでなく、もの全般を大切にする気持ちや、人に対する思いやりにまで影響しているのではないかという気がしてならなかったんです」。

 

秘密その2 壊れにくく、さびず、リサイクル可


人にも環境にもやさしく、雨の日が楽しくなるような上質な傘を作りたい。そう考えた山本さんは、ブランディングデザインを西澤明洋さんに、商品のデザインをプロダクトデザイナーの柴田文江さんに依頼。約2年かけて、耐久性と柔軟性に富んだこの商品が生まれたのです。棒のような傘を開くと、無地に見えた生地は細かいボーダー柄であったことが分かります。開閉が張力で行なえるなど女性の手にもやさしい工夫がいっぱい。

 

秘密その3 安全で簡単に開閉


このデザイン性が評価されて、ニューヨーク近代美術館(MoMA)のキュレーターが選定したグッドデザインを扱う「MoMA STORE」でも販売されることになりました(日本店のみ)。8月には張り替え用の生地も発売されました。「3500円は高いと感じられるかもしれませんが、長く使える1本。きっと納得していただけると思っています」。

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Information

撮影=島本絵梨佳 取材・文=志賀佳織

商品担当はこの人!
サエラ(Ca et la)代表取締役社長 山本 健さん
傘のビジネスに携わって約40年。「傘越しに世の中の仕組みが見えてくる」というほどのエキスパート。趣味は映画鑑賞に読書。伊集院静、沢木耕太郎、山本周五郎らの小説を愛読している。最近感動したのは、村上春樹著『騎士団長殺し』。


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