しっかり者のマジメな先輩VS可愛がられ上手で生意気な後輩。女同士の心理戦を描いたミステリ作品【作者インタビュー】

『夫の不倫を証明できない』より


SNSに投稿された不貞行為の「匂わせ写真」。状況証拠では絶対に「クロ」のはずなのに、どうしてもそれを証明することができなかったら…?

夫と会社の後輩の不倫を証明しようと、さまざまな謎に立ち向かい証拠をつかもうとする妻の奮闘を描いたミステリ作品『夫の不倫を証明できない』。今回は作者のぱん田ぱん太さんに、作品に登場するキャラクターについてお話を聞きました。

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■あらすじ


『夫の不倫を証明できない』より

SNSに投稿された写真は、夫と部下の密会現場…!?

11歳年上の高政と社内結婚して、夫婦仲良く暮らしていた香澄。ところがある日、インスタに送られてきたリンクをクリックして見ると、下着姿の女が夫にあげた腕時計をしてポーズを決めている写真が公開されていたのです。しかも、その背景はどう見ても香澄の部屋でした。一体何が起こっているの!?

 『夫の不倫を証明できない』より

 『夫の不倫を証明できない』より

夫の不倫相手は、新人ウェブデザイナー・島崎海音であると目星をつけた香澄。オンライン会議の後に海音と2人でビデオ通話をして、本当のことを話してもらおうと決意します。しかし、不倫現場の写真を撮影した日と推測される先週の水曜日にどう過ごしていたか、海音に聞いてみても、「リモートワークですけど?」としらばっくれるばかり。

『夫の不倫を証明できない』より

『夫の不倫を証明できない』より

「なんでそれを報告しないといけないんですか〜?」「香澄先輩には関係無いですよね〜?」と挑発するような物言いをされ、ついイライラしてしまう香澄。このまま相手のペースに飲まれて、真相は闇の中に葬り去られてしまうのか、それとも…?

『夫の不倫を証明できない』より


作者直々にメインキャラクターを深掘り!


――強烈な個性を放つ3人のメインキャラクターはどのようにして生まれたのでしょうか。ぱん田ぱん太さんに伺いました。

『夫の不倫を証明できない』より

しっかりもので仕事のできる女・牧村香澄

ぱん田ぱん太さん:香澄ちゃんみたいなサバサバしたキャラクターはセリフの自由度が高いので、描いている途中で「本音を言わせすぎてしまう」傾向にありました。そのため、編集さんに「このシーンの香澄はちょっとキツすぎて悪者に見える」といった感じでアドバイスをもらい、修正していきました。しっかり者系キャラクターは、本音をハッキリと言って読み手をスッキリさせてくれる役割を持ちながら、あまりにハッキリさせすぎて加害者に見えないようにする、という絶妙なバランスがこだわりです。

『夫の不倫を証明できない』より

可愛がられ上手な新人ウェブデザイナー・島崎海音

ぱん田ぱん太さん:多くの方に「こんな女、絶対近くにいてほしくない」と思ってくださるようなキャラクター作りですね(笑)。今作では第1話からすでに海音が不倫相手であることが分かるので、「嫌な印象のキャラ」として描くのも問題無し、ということで、遠慮無く描きました。

『夫の不倫を証明できない』より

香澄の夫でIT企業の執行役員・牧村高政

ぱん田ぱん太さん:高政は41歳で会社で権力を持った立場のキャラクターですが、実は私の中でそういう男性がどんなイメージなのか全然湧いてこなかったんです(笑)。そのため、下書き時点での高政のセリフなどを見た編集さんから「60代くらいのものすごく成熟したキャラクターに見える。41歳の男性はもっと若々しいはず。ジャニーズの嵐くらいのイメージです」とアドバイスをもらい、「若々しさ」を意識しながら描きました(笑)。


今の時代を映し出すリアルな設定でミステリをより身近に面白く!


『夫の不倫を証明できない』より

――香澄を苦しめるための方法が「SNSへの匂わせ投稿」だったり、夫婦がどちらも「リモートワークをしている」のが今っぽいなと感じました。

ぱん田ぱん太さん:やっぱり今の時代に合わせた設定にした方が、読者さんも感情移入しやすくて楽しいと思います! 例えば「主人公は18歳で親が決めた男性とお見合い結婚、専業主婦で夫は亭主関白、スマホやPCは嫁に行った身なので持たせてもらえず、趣味はお花とお裁縫」…なんてキャラ設定だとしたら、私はあまり感情移入出来ません(笑)。

それに今後またミステリ系を描くとしたら、高性能AIなど、現代ならではの技術を利用したトリックを描けたらより作品の幅が広がると思うので、ぜひ挑戦したいですね。

***

めちゃくちゃな行為をしているはずなのに、どこか憎めない登場人物たち。私たちの身近にもいそうなキャラクター設定だからこそ、よりリアルな“ハラハラ感”が増すのかもしれません。


取材・文=宇都宮薫

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