カブトムシの角はまるで「風船」? 身近な神秘を大人も子どもも楽しめる昆虫図鑑

帰省時の甥っ子へのプレゼントを探しに来た書店の棚で、ふと目に留まったのが図鑑でした。
そういえば図鑑なんて何十年も見てないなと、なにげなく表紙を開いてみると、ページをめくる手が止まらなくなりました。目の前に現れた昆虫たちは、知っていると思っていた昔の姿とは違う、驚きに満ちた「神秘的な生き物」として紹介されていたからです。
たとえば、たくましく、硬いイメージのカブトムシの角。じつは、あの角は、蛹のときには小さく畳まれていて、成虫になる際にプクゥーッと「風船」のように膨らませて作られるそうです。子どもの頃、何度も手にのせた勇ましい虫が、そんな仕組みで角を育てていたことを初めて知りました。
小さな虫なのに信じられないパワーが秘められてるのは、ノミバッタ。たった5mmの体で70cmの高さ、140cmの距離を跳ぶと書いてあります。自分の身長の140倍の高さにジャンプできるパワフルな脚が写真入りで紹介されていて説得力バツグンです。

後脚には小さな体に不釣り合いな大きな腿節(太もも)があり、これが大きな力を生みます。また、その先には爪のような端距という突起が見えます。これで先端を蹴って跳躍します。
スピードに度肝を抜かれるのはアギトアリです。アゴを閉じる速度が自然界で最速といわれていて、時速は約200kmなので、とても人間の目にはとらえられないそうです。アリンコにさえ、想像を絶する機能が備わってると知り、ページを追うごとに、昆虫という存在の奥深さに引き込まれていきました。

体長1cmを超える日本最大級のアリ。大きなあごの間に感覚毛があるため、獲物が触れた時に時速200km超えのスピードで閉じることができます。頭部の後ろが大きくふくらんでいるのは、高速であごを閉じるための筋肉が詰まっているため。また、腹部の先には針ばりを持っています。
世界最大のカブトムシや、羽が透明のチョウチョなどのクセの強い虫は、南米など遠い外国にしかいないと思っていた自分を反省しました。なんとノミバッタもアギトアリも日本に生息してるんです。近所の草むらや公園で見かける昆虫の生態に、こんなにも楽しくてすさまじい神秘が隠されていると知ったら、幼い頃の気持ちを取り戻して、すっかり夢中に…。
早速、私は甥っ子へのプレゼント用と、自分用に2冊購入しました。昔の図鑑とは格段の進歩を遂げているのは、紙面だけでなく映像コンテンツも充実している点です。帰宅後、記載された二次元コードをスマホで読み込むと、昆虫たちの生態を捉えた迫力満点の動画が見られました。
精密な飛翔法のメカニズム解析など「これどうやって撮ってるの?」とつぶやきたくなるほど鮮明で、まるで目の前に虫たちがいるような臨場感でした。動画と連動することで、より深く昆虫の世界に入り込める仕組みになっています。
知っているはずの身近な昆虫たちの、知らなかった「すごさ」を知られた図鑑。猛暑の夏休み、快適な室内で昆虫を心ゆくまで追いかけてみませんか。
文=池尻圭(いけじり・けい)
【著者プロフィール】
平井文彦
ふとしたきっかけでカメラを手にする。幼少の頃に好きだった昆虫にレンズを向けたところ、その世界の素晴らしさに魅せられ夢中に。2018年、昆虫写真家・法師人響とともに「Tokyo Bug Boys」を結成。「大昆虫展in東京スカイツリータウン」「NHKスペシャル」などの制作協力、「所さんの目がテン!」(日本テレビ系)への出演など、昆虫のイベントやメディア出演に欠かせない存在に。
※本記事は平井文彦(著)、丸山宗利(監修)の書籍『知ってる虫のひみつがすべてわかる! すごすぎる身近な昆虫の図鑑』から一部抜粋・編集しました。
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