15歳で京都の花街へ。舞妓になる夢をかなえ、その後20代で高校生に。元舞妓の漫画家が描く『舞妓をやめたそのあとで』

小学生の頃から憧れていた舞妓になるため、15歳で地元を離れて京都の花街へ飛び込んだ松原彩さん。19歳で舞妓から芸妓に襟替えを行い、22歳まで芸妓を勤め上げたあと、引退して定時制高校に入学しました。
周りの人とは違う進路を歩んできた彩さんは、多くの人と出会い、経験を積み、成長していきます。

見習いとして過ごす間、雑用とお稽古ばかりの厳しい日々。舞妓になってからはやりがいを感じる反面、お客様の心ない言葉や自由の少ない生活に「やめたい」と思うことも…。


花街のリアルな生活を描いたエピソードの数々からは、華やかなイメージのある舞妓さんたちの意外な一面を知ることができます。

さらに、22歳で花街から引退した後、高校生として新たな人生がはじまりました。年代も事情も様々な同級生と交流することで、自分の新たな一面や、改めて挑戦することの大切さを知ったり、両親の覚悟を再確認したり…。意欲に満ちたエピソードが描かれています。
著者・松原さんは、なぜご自身の経験をコミックエッセイとして描こうと思ったのでしょうか? お話を聞きました。
舞妓や花街、日本文化をもっと身近に

――松原さんが漫画を描き始めたきっかけを教えてください。
松原彩さん:芸舞妓引退後に通い始めた高校の先生との会話です。先生から「舞妓さんってどういうことしていたの?」と聞かれることが何度かあり、自分が当たり前だと思っていた花街や舞妓のことが、一般的にはまだまだ知られていないのだなと感じました。もっと舞妓さんのことを身近に感じてもらえたら嬉しいなと思い、漫画で表現しようと試みました。
――本作『舞妓をやめたそのあとで』が1作目でしょうか?
松原彩さん:コミックエッセイはもともと大好きでよく読んでいたのですが、KADOKAWAさんの「コミックエッセイプチ大賞」というものがあると知り、高校在学中に原稿を描いて応募した作品『おきばりやす!舞妓はん』が最初です。拙い漫画でしたが「第12回新コミックエッセイプチ大賞」をいただき、漫画を制作させていただけることになりました。

――書籍化の話があったときのお気持ちをお聞かせください。
松原彩さん:私の周りには、日本文化や花街に興味はあるけれどSNSに疎い人が多かったので、せっかく漫画を描いていても読んでもらえないことがよくありました。ですから書籍化はとても嬉しかったです。
伝えたかったのは「やりたいことをやる大切さ」

――多くの人が知ることのできない舞妓さんの世界について描かれていて、とても興味深く拝読しました。描くうえで心がけたこと、大切にしたことはなんですか?
松原彩さん:わかりやすい表現をすることを意識しました。 また、「花街とは、舞妓さんとはこういうものですよ」という基礎知識がないと、そのあとの話を進めていく上で読者が置いてけぼりになってしまいます。それを防ぐためにも、最低限知っておいてもらいたい知識をできる限りわかりやすく説明しています。

――読者からは、どのような反響がありましたか?印象に残っているコメントなどがあれば教えてください。
松原彩さん:若年層からは、「背中を押してもらった」「やりたいことやろうと思った」などのコメントをたくさんいただき、とても嬉しかったです。他にも、私より年上の方からは「還暦の同級生のエピソードを読んで、やりたいことに挑戦するのに遅いことはないんだと気づかされた」と言っていただき、幅広い層の方に「やりたいことをやる大切さ」を伝えられたようで胸が熱くなりました。
* * *
普段は覗き見ることのできない舞妓さんの世界について描かれている本作。「舞妓さんのことを身近に感じてもらいたい」という言葉の通り、誰でもわかりやすいよう、本編の前に舞妓についての知識や花街の用語解説も描かれています。基礎知識を知ってから読むと、より作品を楽しめますよ。
取材・文=松田支信
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