ありがとう、さようなら万博!大阪・関西万博体験が「一生モノ」なワケ

自然と共生する未来「住友館」

人気のあまり、予約が難しいことで話題になった国内パビオンの一つが「住友館」。

コンセプトは「さぁ、森からはじまる未来へ」。
森とのつながりを体感することで、未来の社会や環境について考え、行動するきっかけを与えてくれる空間です。

館内に一歩入ると、まずひやっとした森の空気が!
暗い森の入り口に立ち、手にランタンを持てば、まるで物語の主人公になった気分。霧や音、光、風、木や虫の音……五感をフルに使ってほの暗い森を歩いているような体験ができます。

森の中には、小さな虫や動物たちが隠れていて、ランタンを置くと光とともに姿を現す仕掛けも。
副館長の安永明史さんも「私でもすべてを探すことは難しいです(笑)」と話すほど、隠れた演出が豊富。時には雨が降る映像や風の演出も! 自然の厳しさについても触れることができます。


クライマックスは、「パフォーミングシアター」。
森の「いのちといのち」をつなぐ風を表現するのは、国内外で活躍するダンサーたち。特に驚いたのは「風」の演出。激しく舞う様子から、自然の荒々しさや壮大さを感じられます。
安永さんによれば、「風の演出は、子どもも大人も自然とつながる感覚を肌で感じられる重要な部分です」とのこと。
映像や光に呼応して舞い、自然を全身で表現するダンサーのパフォーマンスに圧倒された人も多いのではないでしょうか。


パビリオンに使われた木材は、四国・愛媛県・新居浜市の住友の森で育てられたスギやヒノキが約1000本使用されています。
そのうち壁面に使用されているのが1970年の大阪万博の年に植えられたスギ、屋根に使われているのがそれより以前に植えられたヒノキを使用されているというから驚きです。

安永さんは「1本1本のいのちを大切にしたい、という想いから木材の加工方法から検討と議論を重ねて、木々を余すことなく利用できる“合板を用いる”という判断をしました」とのこと。無駄を出さずにしっかりと有効活用するだけでなく、自然や先人たちの想いへの敬意が感じられます。

さらに、万博では約1万本の苗木を来場者が植林体験できる仕組みが!
苗木は四国の育苗センターで約1年間育てられた後に、住友館を作る時に木を伐採した跡地を中心に植えられます。

「今植えた苗木が、子どもたちが成長し、大人になったころにまた建材として使えるかもしれません」と安永さん。森と人の未来をつなぐ、循環の物語を実感。


シアターを抜けたところにある展示コーナーでは、現在取り組みが進められている未来の住友グループの技術や取り組みを前期・後期合わせて700以上確認することができます。


気になる技術や取り組みとキーワードを選び、簡単にミライのタネをつくることができる特設サイトも大人気。「これまでおよそ1万件の『ミライのタネ』が作られました」と安永さん。


安永さんは、子どもたちに向けて
「住友館での体験をきっかけに、実際に森へ行ってみてほしいですね。自分の目で見て、触れて、感じてほしい。人間だけじゃない、いろんな生き物や自然とのつながりを実感してほしいです」と話しました。
木のぬくもりや森の息吹を感じさせる壮大なパビリオンでの体験は、自然と共生しながら未来へ進むことの重要性を、改めて考えるきっかけになったのではないでしょうか。


ついに閉幕となる大阪・関西万博。
忙しい日常の中でも、ほんの少し立ち止まり、目の前にある小さな「未来」を想像すること。その小さな想像の積み重ねこそが、やがて大きな希望を育てていく――そんなことを教えてくれた、まさに「一生モノ」の万博体験。皆さんはどう感じましたか?

【レタスクラブWEB編集部YYY】

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