「介護なんて必要なか!」クセが強い高齢者も多い、介護現場のリアル【著者インタビュー】

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介護の日常をユーモラスに描いたケンさんの作品

様々な高齢者が利用する介護サービス。利用者や家族の生活をよりよくするための支援なのですが、快く受け入れてもらえないこともあります。頼るのが苦手だったり、かたくなになっていたり、認知症だったり。現職ケアマネで、介護の日常を描いたコミックエッセイ『ヤベー高齢者ばかり担当しているケアマネの日常 記憶に残らない個人の記憶をたどる』の著者ケンさんも、利用者の方に強く拒否されてしまうことがあるそうです。

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『ケアマネの日常 記憶に残らない個人の記憶をたどる』より「私パン屋になる」のエピソード


『ヤベー高齢者ばかり担当しているケアマネの日常 記憶に残らない個人の記憶をたどる』より

『ヤベー高齢者ばかり担当しているケアマネの日常 記憶に残らない個人の記憶をたどる』より

家族からの要請があり、ケアマネージャー(介護支援専門員)のケンさんが女性スタッフ2名と訪問介護で訪れたのは、「80歳独居、アルコール依存症、近所トラブル多数」の気難しい女性宅です。

『ヤベー高齢者ばかり担当しているケアマネの日常 記憶に残らない個人の記憶をたどる』より

女性はケンさんたちを、「家族以外は家に来てほしくない」と一蹴。
すると…

『ヤベー高齢者ばかり担当しているケアマネの日常 記憶に残らない個人の記憶をたどる』より

スタッフ1「私長女になる」、スタッフ2「アタシ次女~」、ケンさん「私パン屋になる」!? 即座に小芝居を繰り広げ、女性の心をほぐすことに成功します。

『ヤベー高齢者ばかり担当しているケアマネの日常 記憶に残らない個人の記憶をたどる』より

『ヤベー高齢者ばかり担当しているケアマネの日常 記憶に残らない個人の記憶をたどる』より

帰り道にスタッフの一人が「お酒の飲みすぎで亡くなった母と似ていて、またお母さんの世話ができるかもとはしゃいでしまった」とぽつり。ハードな現場に立ち向かうスタッフの想いが垣間見られたのでした。


過激な書籍タイトルとは裏腹に、介護の日常をフラットな目線で描くケンさん。介護業界に20年以上携わるケンさんは、どのような想いで利用者の方々に向き合っているのでしょうか。お話を伺いました。


どんな相手でも先入観にとらわれず、利用者さんと家族の不安に寄り添う


『ヤベー高齢者ばかり担当しているケアマネの日常 記憶に残らない個人の記憶をたどる』より

――高齢者のなかには気難しかったり認知症だったりと、クセが強めの利用者も多くいらっしゃると思います。そのような利用者の方にはどういう心持ちで対応されているのでしょうか。

ケンさん:「あの人は大変だよ」と言われる方も多々います。しかし、あまり先入観に捕らわれず、まずは話を聞いて何に困っているか、何に不安を覚えるかを知り、どうすれば解決するかといった話をしないと始まらないなと思っています。なので、「まぁ、話をしましょうよ」のスタンスですね。

『ヤベー高齢者ばかり担当しているケアマネの日常 記憶に残らない個人の記憶をたどる』より

――家族との連携が不可欠な介護の現場。要介護者を支えるご家族と接する際は、どのような想いで接していらっしゃるのでしょうか。信念などがあれば教えてください。

ケンさん:高齢者本人も要介護状態になって不安ですが、家族も介護が始まって不安なことばかりですよね。介護保険って何?急にそんな事言われても…って感じですからね。ケアマネが制度の説明をしても、多分半分も伝わっていないと思います。そのため分かりやすい説明を何回でも繰り返し行うように心掛けています。

『ヤベー高齢者ばかり担当しているケアマネの日常 記憶に残らない個人の記憶をたどる』より

――介護の仕事に携わっていて良かったと感じる場面や、かけられた言葉があれば、教えてください。

ケンさん:めちゃくちゃだった生活環境が、支援が入ることで改善されていく様子を間近で見られるのは、良いポジションにいるなと思います。

*  *   *

要介護状態になることは本人にとっても、家族にとっても不安なこと。他者から支えてもらうことをすんなり受け入れられない方がいるのも、もっともなことです。相手に拒否されてしまうと心の壁を作ってしまいそうですが、まずは耳を傾け寄り添う姿勢が大切なのかもしれません。



取材・文=K.Kunitake

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