荻原博子の「3分でわかるお金の話」【6】低金利の預貯金よりも、お金が増やせる「まとめ払い」と「つもり貯金」

#くらし   

「まとめ払い」と「つもり貯金」の合わせ技で現金を増やす


最初の年の資金さえ用意すれば、後は確実に貯まる!


昨年から今年初めにかけて、株式投資やFX(外国為替証拠金取引)、さらにはビットコインのような仮想通貨で大もうけしたという話をたくさん聞きました。でも2月に入ると相場が大きく崩れて、今度は大損をしたという話をたくさん聞くようになりました。以前もこのコラムで書きましたが、今はまだ投資初心者が投資を始める時期ではなく、「借金を減らして現金をためる」期間です。でも低金利だから銀行に預けていてもお金が増えないのも事実。そこで「まとめ払い」と「つもり貯金」の合わせ技で現金を増やしましょう。

保険料を月払いから年払いに変える


まずまとめ払いの話から。まとめ払いの「かい」があるのは保険商品です。生命保険の保険料を毎月払う「月払い」で払っている人が、1年に1回まとめて先払いする「年払い」に変更すると、保険会社や商品によって異なるものの0.5カ月分ほど安くなります。毎月2万円の保険料を払っている人なら年間で1万円ほどの節約になるでしょう。ただしネット生命の中には経費を抑える目的で支払い方法を「月払い」に限っているところもあります。

自動車保険やセットで加入する火災保険・地震保険もまとめ払いが有利です。火災保険・地震保険では月払いよりも1年一括払いの方が安く、1年一括払いより5年長期一括払いのほうがさらに安くなります。どのくらい保険料が安くなるのかは契約内容により異なるので、契約先の保険会社に問い合わせましょう。

自営業やフリーランスの方などが加入する国民年金保険料は1カ月当たり1万6490円(2017年度)ですが、口座振替で1年前納にすると19万3730円で済み、4150円の割引になります。NHK受信料は2カ月払いでは4460円(衛星契約)ですが、12カ月前払いにすると1990円の割引になります。

通学やおでかけ際の運賃も節約できる


子どもが通学に使う通学定期券もまとめ払いが有利です。例えばJR東日本の中央線立川駅-新宿駅間の通学定期券運賃は1カ月6340円ですが、6カ月なら3万4240円となり3800円の割引に。1年間なら7600円の節約になります。

お出かけの時もまとめ払いが有利。東京都を例に取るとバスの場合、手持ちのPASMO・Suica(通常は大人は大人用カード、子どもは子供用カードが必要)に1日乗車ができる情報を車内で書き込む乗車券は、事前に購入する必要がなく便利です。都営バスの「都バスIC一日乗車券」は大人500円、小児250円(6~11歳・12歳の小学生を含む)で、何度でも都営バスを乗り降りできます。東急バスの「IC1日乗車券」や小田急バスの「1日フリーパス」は大人510円、小児260円で、路線にもよりますが通常は3回乗車すれば元が取れます。また神奈川中央交通の「IC一日フリー乗車券」のように大人1030円、小児520円という乗車券もあるので上手に使ってください。

バスの「IC1日乗車券」はかなりお得な場合も。乗る回数が多いとわかっている時には活用してみては?


電車にも1日乗車券があります。JR東日本には「都区内パス」(大人750円、小児370円)、東京メトロには「東京メトロPASMO1日乗車券 」(大人600円、小児300円)、東急電鉄には「東急ワンデーオープンチケット」(大人660円、小児330)などがあり、定められた区間内を自由に乗り降りできます。電車を何度か乗り降りする用事がある時はお得です。その他の私鉄にもフリーパス区間を設けたきっぷがあるのでチェックしてください。

月払い分のお金を「つもり貯金口座」へためて差額を残す


次はつもり貯金。これは前納しても月払いをしているつもりで、保険料や料金を「つもり貯金口座」へためていく方法です。例を挙げると、1年前納で国民年金保険料を払っても、毎月1万6490円を口座へ入れるようにします。次の年にためたお金でまた1年前納すると4150円が口座に残りますね。生命保険料も、NHK受信料も、通学定期券のお金もつもり貯金口座へ入れて、前納して差額を残すわけです。1日乗車券を買った時も普通に運賃を払ったつもりで差額をためましょう。

問題は「最初の年の資金をどうするか」ですが、前納は確実に「もうける」ことができる技なので、無理のない範囲で貯金から払ったり、ボーナスを充てるようにしましょう。低金利の預貯金に預けておくよりも、確実にお金が増えますよ。

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荻原博子

教えてくれたのは:荻原博子さん
経済ジャーナリスト。雑誌・テレビなど多方面で活躍中。著書に『荻原博子式 年金家計簿2016』(小社刊)、近著に『老前破産〜年金支給70歳時代のお金サバイバル』(朝日新書)など。

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編集協力/矢井田あひる

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