少しの工夫で、医療費も節約できる!【荻原博子の「3分でわかるお金の話」7】 画像(1/2)  出典:全国健康保険協会

国保の運営が都道府県に変わる

今年から国民健康保険(国保)の保険料が高くなりそうです。国保は自営業やフリーランス、無職になった人など、勤務先の健康保険に加入していない人に向けた健康保険制度です。これまで国保の運営は市区町村が担当していて、医療費の赤字を税金で補ってきました。この仕組みでは国保加入者以外の税金も赤字の穴埋めに使われるため、不公平が生じていました。

そこで保険財政の健全化を図るため2018年4月から国保の運営が都道府県に移され、都道府県が市区町村に保険料の目安となる「標準保険料」を示すことになりました。標準保険料は赤字補てんを前提にせずに算出するため、ほとんどの市区町村で高くなっています。


東京都は保険料が26%も高くなる

例えば東京都の場合、18年度の標準保険料は平均で14万,916円となり、16年度に比べ26%引き上げられます。都内で標準保険料が最も高いのは千代田区の18万1,810円(16年度比11.3%)、最も引き上げの幅が大きいのは府中市で57%(標準保険料14万5,594円)です。ただ、標準保険料をそのまま適用すると、加入者負担がいきなり重くなるため、徐々に引き上げられていきます。

国保に限らず、会社などが運営する健康保険組合でも保険財政が厳しいため、いずれ引き上げられそうです。

少しの工夫で、医療費も節約できる!【荻原博子の「3分でわかるお金の話」7】 画像(3/2) ちょっと心がけるだけで、出費も変わってくる

紹介状があれば大病院初診時に5,000円安くなる

そこで医療費を少しでも抑えて節約する工夫をしましょう。病院やクリニックの早朝・夜間や休日診療はとても助かるのですが、その代わり、通常の診療時間よりも医療費が高くなります。平日の8時前と18時以降(土曜日は8時前と正午以降)の受診には時間外加算として850円(初診)、日曜・祝日・年末年始は休日加算2,500円、22時から6時は深夜加算4,800円です。具合が悪いのに我慢する必要はありませんが、時間をやり繰りできるのなら通常の診療時間内に診てもらうようにしましょう。

風邪のような日常の病気の治療や健康管理をお任せできるかかりつけ医(ホームドクター)を持つことも、医療費の節約につながります。重大な病気や特殊な病気が疑われる時、かかりつけ医に紹介状を書いてもらうことで、大病院(ベッドの数が500床以上)の初診料に加算される5,000円以上(歯科は3,000円以上)の特別の料金(※1)が不要になります。


薬は平日19時まで、土曜日は13時までに受け取る

調剤薬局に払う薬の値段も節約ができます。時間外加算や休日加算などは調剤薬局でも同じ。土曜日の正午過ぎにクリニックを受診して、その足で13時過ぎに薬局に処方箋を出して薬を受け取ると、クリニックと薬局の両方に外加算がつくことになります。


同じ処方箋でも、持ち込む薬局によって値段が違うことがあります。調剤明細書には調剤技術料という区分があります。そこの「調剤基本料」に「3」というような数字が書いてあります。3はチェーン展開しているような大規模薬局、2は病院のすぐ近くにある「門前薬局」、1は町の薬局で、点数(1点10円で計算)は町の薬局が一番高くなります(※2)。値段だけの比較では大規模薬局や門前薬局が安いのですが、待ち時間の短さや便利さ、相談のしやすさなども考える必要がありますね。


この他、ジェネリック医薬品を指定したり、お薬手帳を持参したりすることも忘れずに。医療費は、ちょっとした工夫で節約できますよ。


※1 一般病床200床以上500床未満の病院は病院側が任意で決める。一般病床200床未満の病院や診療所では特別の料金はかからない。

※2 点数は薬局が受け取る報酬なので、国が力を入れる施策ほど厚くなる。その分、患者の負担が増えるという矛盾がある。


「早朝・夜間・休日の加算」表の注

※上記のうち、いずれか1つが加算されます。

※医療機関や診療態勢によって、加算等が異なる場合があります。

※上記には健康保険が適用されます。自己負担額については、70歳未満は上記の3割、未就学児は2割、70歳から74歳の方は2割(ただし、平成26年3月31日以前に70歳になった被保険者等(誕生日が昭和14年4月2日から昭和19年4月1日までの方)は1割)、70歳から74歳の現役並み所得者は3割です。