車の運転は? 健康は? 離れて暮らす親を見守る今どきのサービス 荻原博子の「3分でわかるお金の話」【8】

#くらし   
一緒に住んでいなくても親の健康と安全を見守りたい、というニーズに応えるサービスはいろいろ


「うちの親も年を取った」。GWに久しぶりに実家へ帰り、高齢の親だけの暮らしに不安を抱いた人も多いはず。といって仕事や住まいなどいろいろな事情から同居も難しいというのなら、月々数千円で利用できる見守りサービスを検討しましょう。

顔なじみの郵便局の人が訪問して報告


今や65歳以上の高齢者の約6割が夫婦や単身の暮らしをしています(※1)。離れて暮らす親を見守るサービスがいろいろ登場しています。

見守りサービスには大きく分けて「人が訪問して見守るタイプ」と「機器を使って見守るタイプ」があります。訪問タイプの一つが日本郵便が提供する「郵便局のみまもりサービス」です。種類は2つ。月1回、郵便局員が訪問する「みまもり訪問サービス」(月額2500円、税別以下同じ)、利用者へ毎日自動音声で電話をかける「みまもりでんわサービス」(携帯電話宛月額1180円)。それらにはオプションとして警備会社が駆けつける「駆けつけサービス」(月額800円、駆けつけ時は5000円)が付けられます。また地域により、ヤマト運輸やコープ・生協などが地方自治体と連携した見守りサービスを提供しています。

電気ポットの使用状況で親を見守る


機器を使った見守りタイプで有名なのは象印マホービンの「みまもりほっとライン」(契約料5000円、利用料月額3000円)ですね。無線通信機を内蔵した「電気ポット」の使用状況を、家族にメールで知らせたり、1週間のポット使用状況をグラフで見ることができるサービスです。東京ガスはガスの使用量でみまもる「くらし見守りサービス」(月額500円、税込)を提供、さらにセキュリティまで含めたより高度な見守りサービスは、セコムや綜合警備保障(ALSOK)のような警備会社が提供しています。

危険運転をその場で警告し家族にも連絡


公共交通機関の利用が難しい地域では、高齢の親の運転も心配です。保険に付帯したサービスとしては、三井住友海上の「GK 見守るクルマの保険」(「GK クルマの保険」に特約をセット)があります。専用の車載器が運転中の急加速・急減速、急なハンドル操作など危険な走り方を感知すると運転者に警告を発します。また高速道路を逆走したり、指定区域外という事故に直結するような運転をすると、家族(指定連絡者)にその内容を通知。事故を起こす前に免許を返上するといった対策を検討することができます。

他社の自動車保険に加入しているのであれば、オリックス自動車のあんしん運転見守りサービス「Ever Drive(エバー・ドライブ)」(月額2980円)が良さそうです。専用の車載器が速度超過や急加・急減速のような運転状況をリアルタイムで検知。自分では気づきにくい危険運転を確認できたり、家族にメールで知らせたりすることができます。さらに親が車で出かけたきり連絡が途絶えたというような時には「今どこサーチ」機能により、現在位置の確認ができます。

【表】主な見守りサービス


親の気持ちを考えて上手に説得を


この他にも、コミュニケーション・ロボットに見守り機能を持たせたり、ロボットを自治体の支援サービスに利用する実証実験も始まっています(※2)。このように高齢を親を見守るサービスはいろいろあるものの、一番大切なことは親に気持ちよく使ってもらうこと。上手に話して理解してもらいましょう。

※1 厚生労働省の「2016年国民生活基礎調査」(地震の影響を受けた熊本県をのぞく)によると、65歳以上の人のいる世帯数は全世帯のおよそ半分の2416万5000世帯に達しており、このうち、「夫婦のみの世帯」が752万6000世帯(65歳以上の人のいる世帯の31.1%)、「単独世帯」が655万9000世帯(同27.1%)でした。

※2 見守りロボットは「Kibiro(キビロ)」(本体価格9万9000円、月額1000円)、NECは愛媛県西条市の「高齢者見守り支援サービス」に参加してロボット「PaPeRo i(パペロ アイ)」を使った実証実験を行い、2019年4月からサービス提供を開始する予定。

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荻原博子

教えてくれたのは:荻原博子さん
経済ジャーナリスト。雑誌・テレビなど多方面で活躍中。著書に『荻原博子式 年金家計簿2016』(小社刊)、近著に『老前破産〜年金支給70歳時代のお金サバイバル』(朝日新書)など。

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編集協力/矢井田あひる

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