1年より1日のほうが長い星がある!「水星」の不思議 眠れないほど面白い地球の雑学(9)【連載】

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地球の雑学 その9


地球はどうやって生まれたのか。気になりませんか? 人間の身体の知られざる秘密など、思わずだれかに話したくなる理系のウンチクで、あなたの雑談を‟スケールアップ"!

『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から、第9回目をお送りします。

◇◇◇

「水星」の1日は1年よりも長い


1日が24時間で1年は365日というのは、地球では常識だ。しかし、ほかの惑星にいくとそうとはかぎらない。たとえば、太陽系惑星の中でいちばん太陽の近くにある水星。その距離は5790万キロメートルと、地球と太陽の距離の5分の2しかないことから、地球時間の約88日で太陽を1周してしまう。

一方、こうした公転周期の短さに対し、水星の自転は非常にゆっくりとしている。自転の周期は約59日と、1回公転するあいだに1回半しか自転しない。つまり、水星の1日は地球時間の176日なのに、1年は約88日という、不思議な逆転現象が起きていることになるのだ。

また、自転がゆっくりしていることから、88日間にわたって昼が続いたあと、88日間も夜が続く。加えて、熱をさえぎる役目を果たす大気が、水星にはほとんど存在しないため、太陽に照らされる昼はどんどん気温が上昇し、逆に太陽のあたらない夜は急激に気温が下がる。その結果、昼間の気温は320~430℃に達するが、夜の気温はマイナス160~170℃と、太陽系の中でもっとも昼と夜の気温差が激しい惑星となっている。

ちなみに、こうした昼夜の激しい寒暖差があることから、探査機による水星探査は困難をきわめている。これまで水星に近づいた探査機は、アメリカの「マリナー10号」と「メッセンジャー」の2機しかいない。ただ、その2機の観測により、水星の表面には非常に多くのクレーターがあることがわかっており、クレーターそれぞれに、画家のムンクやダリ、小説家のエドガー・アラン・ポー、日本人では松尾芭蕉や井原西鶴といった、文学者や芸術家の名前がつけられている。

著=雑学総研/「人類なら知っておきたい 地球の雑学」(KADOKAWA)

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人類なら知っておきたい 地球の雑学


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著者:雑学総研
珍談奇談の類から、学術的に検証された知識まで、種々雑多な話題をわかりやすい形で世に発表する集団。江戸時代に編まれた『耳袋』のごとく、はたまた松浦静山の『甲子夜話』のごとく、あらゆるジャンルを網羅すべく、日々情報収集に取り組んでいる。

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