静かに輝く、ダイヤモンドリリーと十三夜 【花と素敵な週末を Vol.14】

#くらし   
10月第3週のおすすめ「ダイヤモンドリリー」


こんにちは!「ウィークエンドフラワー」プロデューサーの小川典子です。こちらでは、旬の季節に楽しみたい花の、“長もちさせるハウツー”や“簡単おしゃれなコーディネイトのコツ”をお伝えしていきます。花瓶がなくても大丈夫。少しの花材と身近な雑貨を組み合わせて、家のなかに自分のお気に入りの花コーナーを作ってみませんか?

10月第3週のおすすめは「ダイヤモンドリリー」


10月のウィークエンドフラワー.その3/ダイヤモンドリリー(名称:ネリネ 英名:Guernsey lily)

●原産国: 南アフリカ

●主な生産地: 神奈川県、東京都 他

めっきり秋らしくなってきました。気持ちのよい秋空が広がる今日この頃、今週末21日の「十三夜」は、美しい月を観ることができそうですね。

日本には名月を愛でる風習が2回あり、1年のなかでもっとも美しい月とされる旧暦8月15日「中秋の名月(十五夜)」と、2番目に月が美しいとされる旧暦9月13日「十三夜」の双方を楽しんできました。十三夜は、栗や枝豆を供えたことから「栗名月」「豆名月」ともいわれます(ちなみに十五夜は里芋を供えるので「芋名月」)。

そんな月夜に楽しみたい花は、秋のスペシャリテ「ダイヤモンドリリー」。ダイヤモンドのごとく、きらめく花びらがその名の由来ですが、その輝きはゴージャスというよりは静謐で、あたかも月の光を宿したような神秘。十三夜の月夜のもとに飾れば、空間も心もキラキラと浄化されそうです。

「ダイヤモンドリリー」は、南アフリカ原産の球根花。「ネリネ」が一般名称です。そのネリネの仲間のうち、特に、花びらの表面が光輝く花姿のものは、「ダイヤモンドリリー」と通称で呼ばれるようになりました。

品種改良は17世紀にイギリスで始まり、その後、オランダ、アメリカで行われます。日本には大正時代に伝来。昭和の初めごろから育種も行われました。しかし、「ダイヤモンドリリー」は栽培が難しく流通時期が限られていることなどから、現在はごく一部の情熱的な生産者がその種を守るように改良、生産。その希少性は美しさも含め、まさに、「ダイヤモンド」なのです。

ダイヤモンドリリーと過ごす、心静かな秋の夜長


【画像を見る】ぜひいちど手にしたい「純白」のダイヤモンドリリー


淡いピンク、濃いピンク、白に加え、最近は紫系のニュアンスカラーや赤系、ストライプ状にラインが入る複色タイプなど、ダイヤモンドリリーの花色が豊富になってきました。そのなかで、ぜひいちど手にしたいのは「純白」のダイヤモンドリリーです。とにかく「まっ白」! そして、うっとりするほど、きらめいているのです!

ダイヤモンドダスト(雪)を思わせるほどに白いダイヤモンドリリーには、ブルーグレーの寒色系のユーカリやコニファーを合わせて、周囲の空気まで澄んでいくような色合わせをしてみました。

■材料(花材費合計=1500円前後)

●花材(画像下・左から)

ユーカリ・アルビダ/1/2本を小分けに

ダイヤモンドリリー(白)/3本

コニファー・ブルーアイス/1/2本を小分けに

花材はこちら


●器について

ダイヤモンドリリーの白を強調するように、白いガラスの花器をチョイスしました。白いガラス器がない場合は、透明もしくはグレー系のカラーガラスのグラスなどにいけてもいいでしょう。ダイヤモンドリリーは、スッと伸びた茎も美しいので、最初は少し高さのある器で長いまま楽しんでみてください。

●コーディネイトについて

月にちなんで(?)、陶器のウサギの出番です。やさしい月明かりのようなキャンドルの灯が、ダイヤモンドリリーのきらめきを美しく照らしてくれて、洋風な十三夜の花飾りに。

■3ステップでアレンジ

1、 器に切り花鮮度保持剤を希釈した水を入れます。ユーカリとコニファーの水に浸かる部分の葉を取り除きます。※ダイヤモンドリリーは葉がない状態で流通しています。

2、 器の口元に、小分けにカットしたユーカリとコニファーを入れ、花留めにします。

3、 3本のダイヤモンドリリーの花顔がま横に並ばないよう、やや高低差をつけながら茎をカット。1本1本バランスを見て、あしらっていきます。花がほぼ満開でボリュームがあるので、いちばん高い花は、器のサイズの2倍くらいまでの長さを出したほうが、アレンジ全体が安定して見えます。

月にちなんで陶器のウサギをコーディネートに


■ダイヤモンドリリー(ネリネ)を長く楽しむコツ

*なるべく、つぼみが大きいものを選ぶと、咲いたときに豪華な花姿を楽しめます。

また、花弁が肉厚な花のほうがキラキラ度が高く、花もちもよいので、花弁の厚さもチェックしてみてください。

*茎や花首が、しっかりしたものを選びましょう。

*とても扱いやすい花ですが、切り花鮮度保持剤を使用し、涼しい場所に飾ると、より長く楽しめます。

ダイヤモンドリリーの開花期は10~12月。フラワーショップへの出回り時期も限られます。一方、花もちのよさは抜群で、3週間くらい観賞できます。ギフトやブライダルはもちろん、自宅で楽しむにもぴったりな花ですね♪

ダイヤモンドリリーを集めて、やさしく輝く月のように


イケアで購入したキッチンジャーを器に


ダイヤモンドリリーの花が輝くお月さまのようなアレンジに仕立てました


■材料(花材費合計=1500円前後)

●花材

*ダイヤモンドリリー(淡ピンク)/4本     

*アイビー(染め)/2本

*細いワイヤー、紐など/適量

●器とアレンジについて

写真の器は、以前、イケアで購入したキッチンジャー。ジャーの蓋を取った器の縁に、あらかじめ、2本のアイビーをワイヤーで留めながらリース状にしたものを載せています。こうすると、アイビーの縁取りが印象的な器に。この上にダイヤモンドリリーの花がドーム状になるよう、丸くあしらい、輝くお月さまのようなアレンジに仕立てました。

長めのアイビー2本をまとめたものを、くるっと丸めてリース状に。


2か所ほど細いワイヤーや紐などで留めると形が崩れません。器の上にのせても、きれいなリングをキープできます。


今回、紹介した「ダイヤモンドリリー」は、近年の注目度アップの立役者ともいえる東京都の「横山園芸」2代目・横山直樹さん作。花1輪1輪がしっかりと大きく、ドーム状に咲き、ひときわ輝く花姿が特徴。素晴らしいダイヤモンドリリーです。

横山さんは、ダイヤモンドリリーの品種をかなり多く保有している育種家としても有名。彼のダイヤモンドリリーにかける情熱と夢に、日本全国のフローリストが魅せられ、秋になると横山園芸のダイヤモンドリリーは羨望の的! 横山さんは底抜けに明るいキャラで、花のプロたちからのラブコールに応え、さらにその先にいる、花を身近に楽しむ私たちのハッピーのために頑張っています。

育種から生産販売まで、ひとつの品種の開発には15年もの歳月がかかり、気の遠くなるようなトライ&エラーのなかで、輝きに磨きがかかったダイヤモンドリリーが世に出るそうです。度重なる台風の影響で、横山園芸も大変な被害があったそうですが、今秋も美しいダイヤモンドリリーに出会えて、とても幸せです。

ではでは皆さま、美しい月を愛でながら、花と素敵な週末を。

produced by WEEKEND FLOWER

この記事に共感したら

Information

Produced by WEEKEND FLOWER

★公式インスタグラム、@weekendflower_official もぜひフォローしてください!

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

LINEお友だち追加バナー

おすすめ読みもの(PR)