ティラノサウルスの足はそこまで速くなかった説 眠れないほど面白い地球の雑学(21)【連載】

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地球の雑学 その21


地球はどうやって生まれたのか。気になりませんか? 人間の身体の知られざる秘密など、思わずだれかに話したくなる理系のウンチクで、あなたの雑談を‟スケールアップ"!

『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から、第21回目をお送りします。

◇◇◇

恐竜の王者ティラノサウルスは俊足ではなかった!?


ティラノサウルスは白亜紀後期、北アメリカに生息していた地球上で最大の肉食恐竜である。1メートル以上にもなるあごが特徴で、噛(か)む力(咬合(こうごう)力)は3万5000~5万7000ニュートン。人間の男性の噛む力は平均261ニュートン、女性は173ニュートンであることからも、そのすさまじい力を想像することができる。

ほかにも、ティラノサウルスは体長およそ12メートル、体高4.6~6メートルだったことが化石によって明らかになっているが、走る速度については、古生物学者のあいだで長きにわたって論争が繰り広げられてきた。これまでの推定によると、最高時速は18~54キロメートル。世界最速の人間でも時速約37キロメートルであることから、仮に人間がティラノサウルスに追いかけられた場合、走って逃げることは難しいとされた。

しかし、コンピューター・モデルを使った最新の研究によって、ティラノサウルスは広く信じられているほど俊足ではなかったことが明らかになってきている。

英マンチェスター大学の古生物学者ウィリアム・セラーズ氏らの研究チームが、新たなモデルを開発するにあたって考慮した要素は、骨にかかる「応力」だ。応力とは、単位面積あたりに作用する力の大きさのこと。骨は、走っているときにある程度までの負荷には耐えられるが、それを超えると砕けてしまうことから、この数値を計算に入れ、解析を行なったのである。

その結果、ティラノサウルスの走る速さは最高でも時速27キロメートル前後。それ以上の速度で走った場合、足の骨が粉々に砕けてしまうことが判明したのである。

著=雑学総研/「人類なら知っておきたい 地球の雑学」(KADOKAWA)

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人類なら知っておきたい 地球の雑学


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著者:雑学総研
珍談奇談の類から、学術的に検証された知識まで、種々雑多な話題をわかりやすい形で世に発表する集団。江戸時代に編まれた『耳袋』のごとく、はたまた松浦静山の『甲子夜話』のごとく、あらゆるジャンルを網羅すべく、日々情報収集に取り組んでいる。

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