地球の地軸の角度が変わったらどうなる? 眠れないほど面白い地球の雑学(30)【連載】
地球はどうやって生まれたのか。気になりませんか? 人間の身体の知られざる秘密など、思わずだれかに話したくなる理系のウンチクで、あなたの雑談を‟スケールアップ"!
『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から、第30回目をお送りします。
◇◇◇
地球の地軸の角度が変わったらどうなる?
地球はその誕生以来、北極点と南極点を結ぶ「地軸」を中心に自転を続けている。地軸は公転軌道に対して垂直ではなく、約23.4度傾いている。北半球で夏は日中の時間が長く、冬は逆に夜が長くなるのは、この傾きによって太陽の当たる時間が変化するためだ。
日本の四季も、傾いた地軸によってもたらされた偶然の産物で、もしその角度が変わってしまったら、日本はもちろん、世界中にさまざまな変化が訪れる。
たとえば、地軸の傾きがなくなった場合、昼と夜はまったく同じ12時間ずつとなる。北半球と南半球の区別がなくなり、中緯度地域では四季の変化が消滅。また、貿易風や極東風、偏西風といった、地球の大気を循環させるために欠かせない風も失われる。
その結果、太陽からの熱エネルギーを地球全体に行き渡らせる作用が滞り、今まで以上に時間がかかるようになることから、寒冷化が進むと考えられている。
対して、地軸が公転軌道に対して水平になると、北極と南極では半年ごとに夏と冬が到来することになる。その結果、氷が解けることと凍ることが繰り返され、海面の上昇、雲の増加にともなう温暖化の促進などが懸念される。
ちなみに、地軸の傾きは地球の誕生以来、変化を続けている。その周期は4万1000年といわれ、およそ21~24.5度の範囲で、その角度を変化させている。
1920年代には、セルビアの地球物理学者ミランコビッチが、地球が太古から、気温の低い氷期と比較的暖かい間氷期を繰り返しているのは、こうした地軸の傾きの変化に原因があるという仮説を主張。地軸の角度や向き、公転軌道から、地球の気候変動の分析に成功し、その仮説を裏づけている。
著=雑学総研/「人類なら知っておきたい 地球の雑学」(KADOKAWA)
Information
人類なら知っておきたい 地球の雑学
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著者:雑学総研
珍談奇談の類から、学術的に検証された知識まで、種々雑多な話題をわかりやすい形で世に発表する集団。江戸時代に編まれた『耳袋』のごとく、はたまた松浦静山の『甲子夜話』のごとく、あらゆるジャンルを網羅すべく、日々情報収集に取り組んでいる。
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