虫はなぜ「光」に 集まってくるのか 眠れないほど面白い地球の雑学(37)【連載】

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地球の雑学 その37


地球はどうやって生まれたのか。気になりませんか? 人間の身体の知られざる秘密など、思わずだれかに話したくなる理系のウンチクで、あなたの雑談を‟スケールアップ"!

『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から、第37回目をお送りします。

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虫はなぜ「光」に集まってくるのか


夏の夜、うっかり窓を開けると明るい室内に虫がたくさん飛んでくることがあるし、街灯や自動販売機の灯(あ)かりなどにも、よく虫が集まっている。虫が光に向かう習性を「走光性」というが、虫は昼と勘違いして活動しているのだろうか。

光に群がる虫をよく見ると、ガやコガネムシ、ウンカなど、夕方や夜にかけて活動する虫がほとんどで、明るいところが好きならじっとしていればいいものを、灯りの周囲をぐるぐる回ったり、ぶつかったりしている。これには、灯りを白や黄色の花だと思って蜜を求めて飛んでくるのではないかという説もあるが、現在の研究では「人工の灯りを月と勘違いしている」という説が有力だ。

夜行性の虫は、月を頼りにして飛ぶ方向や高さのバランスをとっていると考えられている。自然界では、夜にもっとも明るい光を放つのは月だし、月は地球からはるか遠くにあるため、こちらがいくら動いても、その方向や高さは変わらない。また、月を目印にして長距離を飛べば、自分たちの生息領域を広げることになる。だから、虫たちの体には、月を目印にする習性が組み込まれている可能性がある。

ところが、人工の灯りは月より明るいため、虫たちはそれを月と勘違いしてしまう。しかもすぐ近くにあるので、虫たちはまっすぐ飛んでいるつもりでも、その周囲を回ったり、近づきすぎてぶつかったりするのである。

著=雑学総研/「人類なら知っておきたい 地球の雑学」(KADOKAWA)

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人類なら知っておきたい 地球の雑学


人類なら知っておきたい 地球の雑学
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著者:雑学総研
珍談奇談の類から、学術的に検証された知識まで、種々雑多な話題をわかりやすい形で世に発表する集団。江戸時代に編まれた『耳袋』のごとく、はたまた松浦静山の『甲子夜話』のごとく、あらゆるジャンルを網羅すべく、日々情報収集に取り組んでいる。

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