ネコのウンチから生まれた世界最高級のコーヒー 眠れないほど面白い地球の雑学(51)【連載】

地球の雑学 その51


地球はどうやって生まれたのか。気になりませんか? 人間の身体の知られざる秘密など、思わずだれかに話したくなる理系のウンチクで、あなたの雑談を‟スケールアップ"!

『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から、第51回目をお送りします。

◇◇◇

ネコのウンチから生まれた世界最高級のコーヒー


これはゲテモノか否か......。ネコのウンチの中から取り出したコーヒーが、高値で取引されているという。

インドネシアは、世界第4位のコーヒー産出国。インドネシアのコーヒー農園では、野生のジャコウネコがコーヒーの実をエサとして食べることがある。

実を食べると、赤い果肉部分はジャコウネコの体内で消化されるが、堅い殻に包まれた種子はウンチと一緒に排泄される。この種子がコーヒー豆で、人間がウンチを拾い集めてきれいに洗い、乾燥・焙煎(ばいせん)してコーヒーをいれてみたところ、すばらしい味わいだったという。ジャコウはムスクとも呼ばれる貴重な香料で、ジャコウネコは尾の付け根からその香料によく似た香りを出すことからこの名がついた。ジャコウネコの体を通ったコーヒー豆は、胃液や腸内の消化酵素、腸内細菌などで発酵し、独特の風味になるという。

「コピ・ルアク」と呼ばれるこのコーヒーは、通好みの味と香りと評判なうえに、希少価値もある。インドネシアでは、通常の屋台のコーヒーの10~20倍の値段がついており、富裕層でなくては飲むことができない。同じくコーヒー生産国のベトナムでもコピ・ルアクが出回り、ニューヨークには専門のカフェまでできるほどの人気ぶりだ。

ただし、有名になってしまったために最近ではニセ物が出現し、人工的に生産されるコピ・ルアクも増えた。本来なら、野生のジャコウネコが気ままにコーヒーの実を食べ、そのウンチを人間が探し、コーヒーとして飲めるようにするという手間のかかるものなのに、ジャコウネコを捕まえて檻(おり)に入れ、無理にコーヒーの実を食べさせ、ウンチを取るのだ。

最初にコピ・ルアクに注目したコーヒー業者は、生産のためにジャコウネコが虐待されていると嘆き、本物のコピ・ルアクの認証制度確立を呼びかけているという。

著=雑学総研/「人類なら知っておきたい 地球の雑学」(KADOKAWA)

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人類なら知っておきたい 地球の雑学


人類なら知っておきたい 地球の雑学
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著者:雑学総研
珍談奇談の類から、学術的に検証された知識まで、種々雑多な話題をわかりやすい形で世に発表する集団。江戸時代に編まれた『耳袋』のごとく、はたまた松浦静山の『甲子夜話』のごとく、あらゆるジャンルを網羅すべく、日々情報収集に取り組んでいる。
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