「木枯らし1号」は地域限定で吹く風!? 眠れないほど面白い地球の雑学(67)【連載】

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地球の雑学 その67


地球はどうやって生まれたのか。気になりませんか? 人間の身体の知られざる秘密など、思わずだれかに話したくなる理系のウンチクで、あなたの雑談を‟スケールアップ"!

『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から、第67回目をお送りします。

◇◇◇

「木枯らし1号」は地域限定で吹く風!?


木枯らしが吹くと、いよいよ冬本番。コートの襟を立ててマフラーを巻いたり、なんだか人恋しくなったりする時期だ。

木枯らしとは、晩秋から初冬にかけて吹く冷たく強い北風で、上空に寒気が入り、一時的に西高東低の冬型の気圧配置になると発生する。木を吹き枯らすということからこの呼び名がつき、俳句では冬の季語になっている。

気象庁は毎年「木枯らし1号」が吹いたことを発表する。だがこれは、東京と近畿地方だけの地域限定。もちろん、それ以外の地域でも木枯らしは吹くのだが、気象庁の「木枯らし1号」の発表はない。

発表がなぜ東京と近畿地方だけなのか、今となってははっきりしない。「木枯らし1号」の発表は、昭和40年代にマスコミの要望で始まったのだが、正式な観測情報というよりは、季節の話題としてのお知らせ。現在もほかの地域から「発表してほしい」という要望がなく、発表は行なわれていないそうだ。

気象庁の「木枯らし」の定義は、東京と近畿地方でわずかながら異なっている。東京では「10月半ばから11月末に、西高東低の冬型の気圧配置になって吹く西北西~北の風で、風速は秒速8メートル以上」。近畿地方では期間が「おおむね『霜降』の10月24日頃から『冬至』の12月22日頃」、風向は「北より」で、気圧配置や風速は同じである。

この定義から外れていると、その冬最初の冷たい北風が吹いても、「木枯らし1号」にはならない。期間内に定義に合った木枯らしが吹かず、とうとう「木枯らし1号」がないままの年もあった。また、「木枯らし1号」はあっても、2号、3号の発表はない。季節の移り変わりを好む日本人のこと、東京と近畿地方以外でも「木枯らし1号」の発表があってもよさそうなものだが......。

著=雑学総研/「人類なら知っておきたい 地球の雑学」(KADOKAWA)

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著者:雑学総研
珍談奇談の類から、学術的に検証された知識まで、種々雑多な話題をわかりやすい形で世に発表する集団。江戸時代に編まれた『耳袋』のごとく、はたまた松浦静山の『甲子夜話』のごとく、あらゆるジャンルを網羅すべく、日々情報収集に取り組んでいる。

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