親子2代の大逆転ものづくり? 有名菓子店が愛用する“魔法の釜”誕生秘話

#くらし   
焼き加減の調整はオーブンの性能にかかってる?


兵庫の「パティシエ エスコヤマ」、北海道の「きのとや」など、全国屈指の有名菓子店が愛用する特別なオーブンがあります。

11月29日放送の「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)では、どん底から這い上がった親子2代の“大逆転ものづくり”を特集。

パティシエが憧れる“魔法の窯”の知られざる誕生秘話が明かされました。

2度の倒産を経て生み出された“魔法の窯”


福岡県にある七洋製作所が手掛ける「南蛮バッケン」は、他社製品と比べて3倍近い価格。

しかしパティシエからは「驚くほどしっとりふっくらと焼き上がる」と評価され、驚異的な人気を集めています。

“魔法の窯”とまで呼ばれるバッケンの特徴は、窯の中の温度を一定に保つ驚異的な密閉性と電気ヒーターのコンピュータ制御。

職人が一度手動で焼き上げると温度変化を学習し、次からは全自動で微妙な焼き加減を再現してくれるそう。

関西の超人気店「パティシエ エスコヤマ」はバッケンを7台も導入し、圧倒的な柔らかさのロールケーキでお客さんを魅了しています。

七洋製作所の前身は、内山善次さんが創業したせんべいメーカー「内山商店」。

会社は順調に規模を拡大させ、経営のノウハウを掴んだ善次さんは機械メーカーに転身します。

しかしそう上手くは行かず、会社は2度も倒産する事態に。

最後の望みをかけて新たな焼き窯開発に着手した善次さんは、完成後まもなく病に倒れてしまいます。

そして善次さんが作り上げた「南蛮窯」を受け継ぐことになったのは、息子の素行さん。

南蛮窯を売り込むために火の調整が難しい“カステラの製造”に目をつけ、カステラを“自動”で焼ける窯として売り出します。

素行さんはトラックで全国を巡り、実演会を開催するなどの猛烈な営業を仕掛けていたそう。

当時を振り返りながら、実に8000軒に及ぶお菓子屋さんを回ったと教えてくれました。

また最後には、「“なぜ高いのか”という理由を説明し、買ってもらえば分かってくれた」という熱いコメントも。

番組を見ていた視聴者からは、「値段の高い商品を売れるのは本物だよね」「倒産とか紆余曲折あったようだけど、結果を見れば親子揃って天才だったということが分かる」「本当にドラマみたいな話。お父さんが焼き窯を完成させた後に倒れ、息子が引き継ぐ流れは熱い」と反響の声が上がっていました。

2つの企業から生み出された“大逆転ものづくり”とは?


【写真】日本に溢れるサクセスストーリーの数々


これまでも多くの“大逆転ものづくり”を特集してきた「カンブリア宮殿」。

以前の放送回では、倒産寸前まで追い込まれた2つの企業の“大逆転ものづくり”を紹介しています。

地元でも名の知れた企業として成長してきた「浅野撚糸」は、安価な中国製糸の流通によって売り上げが激減。

いよいよ倒産かと思われた時、社長の浅野雅己さんは「どうせ廃業するなら限界まで挑戦したい」と決意します。

そして2年後、世界で初となる“撚糸(ねんし)”の開発に成功。

浅野社長は新たな撚糸を老舗タオルメーカー「おぼろタオル」へ持ち込みますが、実は「おぼろタオル」も倒産寸前の企業でした。

崖っぷちに立たされた企業がタッグを組み、ついに新商品「エアーかおる」が開発されます。

新たに生み出されたタオルは、一般的なものより1.5倍の吸水性・速乾性を実現。

今では約600万枚を超える大ヒット商品に。

ものづくり大国・日本では、ドラマのような大逆転を果たす企業が少なくありません。社長たちの諦めない精神を思うと、胸が熱くなりますね。

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