「ものを捨てる、って『もったいない』ことなのでしょうか」1日1捨 ミニマルな暮らしが続く理由(1)【連載】

「豊かな暮らし」とは、あふれるほどたくさん所有すること? 次から次へと新しいものがほしくなり、手に入れた途端、いらなくなることのくり返し。いつも何かをほしがり、ものに依存し、他人の視線や評価が気になって仕方ない「他人軸」な、こんな暮らしのままで、人生のままで……本当にいいの? ー真の「豊かさ」、そして「わたしらしさ」は……ものを手放した、その先にあった。ミニマリスト歴3年、ブログを始めてたった2年で、大人気カリスマミニマリストになったすずひさん初の著書「1日1捨 ミニマルな暮らしが続く理由」より、5回連載でお送りします。今回は第1回目です。

【画像を見る】捨てることは生まれかわること。カリスマミニマリストの暮らし


◆◆◆

100着、120着の服をもっていた頃から、わたしは自分のワードローブをちょこちょこ見なおし、そこそこの「手放し」をしていました。ですから、自分ではその都度、ちゃんと片づけたような、ちょっとよい気分になってしまっていて。

でも実際は……。

手もちの服の中から、気に入っていない下位ランク3着を手放す。そして新しく5着ほど買う。

結果、2着増えている。

捨ててはいるけれど、増えている。そういう手放し方。

こんな「甘っちょろい捨て方」を何度もくり返したがために、じわじわと、しかし確実に、まるで皮下脂肪のように、わたしの服は増え続けてしまったのです。

こんな捨て方しかできなかったのは、いったいなぜだったのでしょう。

「買ったものを捨てるのがもったいない」。

うっかり捨てて、また買いなおすことになったらもったいない。

そう、失敗を恐れていたから。

でも今なら。よくわかる。

いちばんもったいないのは、それを買っちゃったこと。

使いもしないものを買った時点で、もうとっくにもったいないことをしちゃったってこと。

「捨てるからもったいない」のではない。

使わないものを買ってしまった時点で、お金を一旦捨ててしまっているのです。

ですから、10年握りしめていても、 3日で手放しても、もったいなさは、もはや同じ。

使わないものを握りしめている限り、「もったいない」の呪縛からは逃れられません。

ものとの向き合い方は、だから、ふたつにひとつ。

使うか。手放すか。そのどちらかしか、ないのです。

ものを捨てられない人は、使うか、手放すかを決められず、「ただもっておく」という第三の道に逃げ込んでしまう傾向があります。

本当はもう使わないとわかっているのに。

使わないものを買うのは平気なのに、捨てることだけを「もったいない」と思ってしまうのは、なぜなのかな。

考え方をかえたいなら、まずは捨ててみる


「人生の最後にはつづら一つに収まるだけの少ないもの持ちになっていたい」すずひさんからのメッセージ


たとえば、半袖の黒いワンピース。

わたしにとって長いこと「特別扱い」の1着で、あまり着ていませんでした。

でも最近は、ものすごくたくさん着ているのです。

着心地が楽で手入れも簡単なことにも、今になって初めて気づきました。

これまで大切にしすぎてあまり着なかったこと、「もったいないことしちゃったな」と思います。

本当の「もったいない」って、多分そういうこと。

よそゆき服を普段着にすることより、着ない服をただもっているだけのことのほうが、どう考えてもはるかにもったいない。

ものを捨てるときには、痛みが伴います。

でも、ものをいっぱい抱えたままで、痛みも感じず、向き合うこともなく、暮らし方や考え方をガラリとかえられる超人なんて、きっと、いない。

だから、わたしは伝えたい。捨てたら、かわる。

捨てたら、わかる、って。

著=すずひ/「1日1捨 ミニマルな暮らしが続く理由」(KADOKAWA)

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著者:すずひ
ミニマリストブロガー。楽天ブログ「h+and―I want to throw away」は、ブログ開始後、たった2年でライフスタイル部門及びミニマリスト部門でぶっちぎりの1位となり、以後、常に上位をキープし続けている

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