暦と「うるう年」の誕生秘話 眠れないほど面白い地球の雑学(114)【連載】

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地球の雑学 その114


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『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から、第114回目をお送りします。

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暦と「うるう年」の誕生秘話


4年に1度、やってくるのが「うるう年」。いつもの2月は28日までだが、うるう年には29日まである。だが、なぜこれは2月にあるのか。また、なぜ2月だけほかの月より日数が少ないのだろう。

うるうは漢字で「閏」と書いて、「余分」という意味。地球の公転周期が正確には365.2422日なので暦がずれないよう、この日を加えることで調整しているのだ。

古代社会において、暦をつくるのは統治者の大事な役目だった。農耕で収穫をあげるためには、季節を正確に知らなくてはならないからだ。古代バビロニアでは、月の観測をもとに暦がつくられた。これが太陰暦で、「月」や「日」の数え方もこのとき始まったと考えられる。古代エジプトでつくられた暦は太陽暦の起源となり、これが古代ローマに受け継がれた。

うるう年は、紀元前46年にローマのユリウス・カエサルによって制定され、翌年1月1日から実施された。これが2月になったのは、古代ローマでは、1年は春の3月から始まると考えられていたためである。2月は1年で最後の年。そのため日数が少なく、うるう年もそこに付け加えられることになったのだ。

このユリウス暦は、ヨーロッパで長く用いられたが、それでもまだわずかながらズレが出たため、16世紀のローマ教皇グレゴリウス13世がより精度の高い暦を制定した。4年ごとでも100で割り切れる年はうるう年にしない、ただし400で割り切れる年はうるう年にするというもので、これが現在広く世界で使われているグレゴリオ暦である。

日本では、中国から伝わった太陰太陽暦を長いあいだ使っていた。これは、太陰暦に太陽の運行周期を加えて調整した暦である。

明治の世になって、明治5年12月2日(1872年12月31日)、明治6年1月1日(1873年1月1日)としてまずユリウス暦が、1898年にはグレゴリオ暦が採用され、それまでの暦は旧暦と呼ばれるようになった。

著=雑学総研/「人類なら知っておきたい 地球の雑学」(KADOKAWA)

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著者:雑学総研
珍談奇談の類から、学術的に検証された知識まで、種々雑多な話題をわかりやすい形で世に発表する集団。江戸時代に編まれた『耳袋』のごとく、はたまた松浦静山の『甲子夜話』のごとく、あらゆるジャンルを網羅すべく、日々情報収集に取り組んでいる。

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