「年金は繰り上げてもらった方がいいのか、繰り下げてもらったほうがいいのか」、「夫が亡くなったらどうなるのか」などの気になる疑問に、年金に詳しい社会保険労務士の望月厚子さんに答えてもらいました。

60歳以上で働くと老齢年金は減らされる⁉ 年金のプロに聞いてみた 画像(1/2) 60歳以上で働くと老齢年金は減らされる⁉

Q 夫が亡くなったらいくら遺族年金がもらえるの?

A 老齢厚生年金の4分の3が目安です


会社員や年金受給者の夫が亡くなったときに、残された家族がもらえるのが遺族年金です。もらえる年金は、亡くなった人の年金の加入状況によって「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」のいずれか、または両方をもらえます。まず、夫が厚生年金を支払っている、あるいは支払っていた場合です。18歳の学年年度末日になるまでの子どもがいる場合は、遺族厚生年金と遺族基礎年金の両方がもらえます。


遺族厚生年金の金額は、老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3が目安です。遺族基礎年金の金額は、子どもが1人いる妻で年間100万3600円(2017年度の場合)です。子どもが2人いると、この金額に22万4300円が加算されます。


既に子どもが成人している場合などは、遺族厚生年金のみです。子どもがいない妻は、遺族厚生年金に中高齢の寡婦加算額がつきます。ただし、夫が死亡したときに、妻が40歳以上65歳未満で、生計を同じくする子どもがいないことなどが条件です。65歳になるまでの間、年間58万4500円が加算されます。国民年金のみに加入していた夫が亡くなった場合、遺族基礎年金のみをもらえます。ただし、18歳になるまでの子どもがいる妻、または子どもが対象です。


妻が働いていた場合は、妻が65歳になるまでは、妻の特別支給の老齢厚生年金と遺族厚生年金のどちらか一方を選択します。65歳以降は自分の老齢基礎年金は全額もらえますが、自分の老齢厚生年金と夫の遺族厚生年金は同じ厚生年金なので、差額補給となります。ちなみに、遺族年金を受け取っていた妻が、その後再婚した場合は、遺族年金の受給権は消滅します。


 

Q 60歳以降に働くと老齢年金は減らされるの?

A 給与などの金額により減らされます


60歳以降に会社員として働きながら、老齢厚生年金を受け取る場合は、給与と賞与と年金の金額によって、年金の一部または全額が減額されます。この仕組みを在職老齢年金といいます。早見表を見ると、本来の年金月額10万円が、給与が30万円ある場合は4万円に減額されます。


ただ、子どもが独立している人などは、ゆとりのある働き方を検討してみるのもいいでしょう。給料は減りますが、減らされる年金額も少なくなります。雇用継続などで60歳以降に給料が減額されることがあります。その給料が75%未満のときは、雇用保険から「高年齢雇用継続給付」を受け取ることができます。この手続きは会社が行います。

60歳以上で働くと老齢年金は減らされる⁉ 年金のプロに聞いてみた 画像(3/2) 60歳以上64歳までの人が働いた場合の在職老齢年金の早見表

※この記事は『毎日が発見』2018年2月号に掲載の内容です。