子どもの「アレ欲しい」はひとまず無視!本当の価値を見出せる子に お金に強い子どもに育てる方法(2)【連載】
子どもの「アレ欲しい」はひとまず無視する
僕の育った家庭にはお小遣いの制度はありませんでしたが、何も買ってもらえなかったわけではありません。僕も普通の子どもでしたから、友だちの持っているゲームやオモチャが欲しくて、親にねだったこともたくさんあります。
そんなとき、両親の答えは明快で「1ヶ月経っても欲しい気持ちが変わらなければ、そのときに考えましょう」と言われるのが常でした。子どもの「アレ欲しい」は突風のようなもので、一瞬の感情でしかないことは、子育て中のみなさんならよくご存じだと思います。その瞬間は泣きわめいて執着を見せるものの、「アレ欲しい」の9割近くは、30分も経てば記憶から消去されてしまう程度のもの。
翌日になってもまだ欲しい気持ちが尾を引いていても、時間の経過とともに「本当にアレは必要かな?」と冷静に考えられるようになり、大半は、親を説得してまで手に入れる必要はなく、今の生活になくても困らないものであることを知ります。
「本当にアレは必要かな」と考えることは、とても大事です。今の世の中、欲しいものは次から次へと出てきます。そのたびに必要かどうかを考え続けていると、自分という人間は何に価値を置き、どんなものであればお金を支払ってまで手に入れたいと思うかが明確になっていきます。そうすることで、物欲に振り回されることがなく、物事の本質をシンプルに見極められる人生が手に入ります。
本物のお金持ちや成功した実業家の暮らしぶりは、実にシンプルです。そのいい例が、アップルの共同創立者であるスティーブ・ジョブズです。黒のタートルネックにジーンズにスニーカー。これが彼の定番スタイルでした。ほかにも、フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグのグレーのTシャツ、第44代アメリカ大統領のバラク・オバマもグレーかブルーのスーツしか着用しないことで有名です。
彼らは仕事での決断に時間やエネルギーを注ぐために、今日は何を着るかという悩みを捨て、自分のファッションの定番スタイルを築き上げ、それを貫きました。流行に左右されず、アレが欲しいコレが欲しいという物欲に翻弄(ほんろう)されるムダな時間を省き、自分のすべきことに全精力を注いだのです。
何かひとつを突き詰めるためには、自分にとって重要でないものは切り捨てる。そんなシンプルな決断力が必要とされます。その一方で、自分が本当に必要と感じたものは、手に入れる熱意と交渉力も必要です。
我が家の場合、もし、1ヶ月経っても欲しい気持ちが継続しているときは、そこから交渉が始まります。自分はなぜこれが欲しいのか、これを手に入れたらどんなふうに活用するのか、子から親へのプレゼンが通らなければ何も買ってもらうことはできませんでした。当然、そんな親だとわかっているので、欲しいものがあるときにはプレゼンまで含めてあれこれ考えるクセがつきました。
お金があってもただ蓄えるだけでは、人生に彩りが生まれません。かといって、欲しいものを何でも買っていればお金が底をつき、人生を棒に振ります。小さな頃から、自分にとって価値あるものを判断するクセがついていれば、必要なものにはしっかりお金を投じることができ、不必要なものを買うか買わないかで悩む時間もカットできます。
僕が大切にしている「Time is money」の精神は、こうしたささいな経験から育まれていくのです。
著=酒井レオ
Information
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著者:酒井レオ(さかい・れお)
ニューヨーク生まれ、ニューヨーク育ちのバイリンガル日系アメリカ人。ワシントン大学卒業後、JPモルガン、コマース銀行(現TD銀行)を経て、バンク・オブ・アメリカに入社。史上最年少で「全米No.1」の営業成績を達成し、30代前半でヴァイスプレジデントに。その後、NPO法人「Pursue Your Dream Foundation(PYD)」、「PYD Japan」を設立し、グローバルビジネス教育の世界へ転身を果たす。
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