親子でも部屋代を支払う義務があることを伝える お金に強い子どもに育てる方法(4)【連載】

#育児・子育て   

「毎月お小遣いをあげている」「部屋の掃除をしてあげている」「スマホをあまり使わせない」そんな子育てをしている方は要注意! 子どもがお金に強くなる機会を奪っているかもしれません。将来の幸せを掴むために必要な、お金に強くなり才能をぐんぐん伸ばす最新メソッドをご紹介します。

※この記事は『全米No.1バンカーが教える 世界最新メソッドでお金に強い子どもに育てる方法』(酒井レオ/アスコム)からの抜粋です。

親子でも部屋代を支払う義務があることを伝える お金に強い子どもに育てる方法(4)


部屋代を支払う義務があることを伝える


金銭面に対してとてもシビアな両親に育てられたというのに、僕は社会人になっても実家で暮らしていました。いや、もちろん、家を出て独り立ちしなければいけないことはわかっていたのですが、就職してから2ヶ月が過ぎ、3ヶ月が過ぎても「出て行け」と言われないのをいいことに、「これはもしかして、このままいけるのでは……」と自分に都合よく解釈したのが大きな間違いでした。

ある日、母から渡されたのは請求書でした。それも、ビジネスでも通用する形式の完璧な請求書です。今住んでいる家の広さから僕の部屋の占めるパーセンテージを導き出し、その数字をもとに実家で暮らした25年分の家賃や電気代が請求金額として明記されていました。

「これ、何?」。唖然としてたずねる僕に対し、母はとても冷静に「あなたが支払うべき、これまでの人生の経費よ」と答えました。最初は僕をこの家から追い出すための冗談かと思っていたのですが、話せば話すほど、母が本気であることがわかるだけでした。これはもう逃げられないと悟った瞬間、僕は請求書に書かれた金額の小切手を切り、身の回りの物をダンボールに詰め込んで家を出ました。のろのろと暮らしていた3ヶ月がウソのような早業(はやわざ)です(笑)。

我が家のこの徹底ぶりは、ほかの家と比べて極端であることは十分承知しています。しかし、家庭は社会の縮図です。前の項目でも触れたように、掃除がタダではないこと、毎日の食事を作ってもらうことが当たり前ではないこと、そして、暮らしている家が自分のものではないことは、小さな頃から伝えておくべきです。

冒頭で示したように、実際に、風呂掃除などの労働の対価として得たお金の中から部屋代を差し引いて渡したり、高学年になればエクセルなどで1ヶ月の収支を自分で管理させることもできるでしょうし、事前に部屋代は計算しておいて、「ここで20年暮らした場合は、〇〇万円があなたが就職してから支払うべき部屋代よ」と伝えておくというやり方もあるでしょう。

実際に部屋代や掃除代を請求しないにしても、「この家で快適に暮らせるのは、父や母がお金を稼いでいるから」で、「この家ではみんなが健康で気持ちよく過ごせるように母がメインとなって掃除と食事づくりを担当し、体力勝負の遊びや力仕事はパワーのある父が担当している」などの事実を伝え、「あなたはみんなのために、何ができると思う?」と問いかける。

得意な人が自分の能力を提供し、家族が心地よい暮らしを得る。それはまさに、10年後のビジネスの基本となるであろう、各分野のスペシャリストが協働してプロジェクトを完遂(かんすい)するスタイルとまったく同じです。

これからの社会で必要とされる能力の中でも、特に重要である「協働力」は、学校やスポーツの習い事など、たくさんの人が関わる中でこそ育つと考えがちですが、それは違います。関わる人数が2人だろうが10人だろうが、その中で自分ができることは何か、果たせる役割があるかどうかを考えて、ほかの人と意見をすり合わせながら実行していく協働力。

その基本となるのが、チーム家族です。家族の中で果たす役割があることは、「自分は信頼されている」という自信を生み、自己肯定感を高めます。

自分の能力をポジティブにとらえられる人は、チームの中で反対意見が挙がっても否定的に受け取ることなく、よりよいものをつくる力へと昇華することができ、最後まで粘り強く仕事を完遂することができます。

著=酒井レオ

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著者:酒井レオ(さかい・れお)
ニューヨーク生まれ、ニューヨーク育ちのバイリンガル日系アメリカ人。ワシントン大学卒業後、JPモルガン、コマース銀行(現TD銀行)を経て、バンク・オブ・アメリカに入社。史上最年少で「全米No.1」の営業成績を達成し、30代前半でヴァイスプレジデントに。その後、NPO法人「Pursue Your Dream Foundation(PYD)」、「PYD Japan」を設立し、グローバルビジネス教育の世界へ転身を果たす。

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