半数以上が「現状のPTAに不満」と回答。専業主婦前提の組織からの変革が求められる

レタスクラブニュースが2019年2月6~19日で行った「PTAに関するアンケート」(回答数184件)によると、「PTAに関して不満はありますか?」という質問に対して、「ある」と答えたのは50.5%、「ない」と答えたのは49.5%でした。不満の具体的な内容を聞いたところ「保護者に求める負担が多い」「働いてる親がほとんどの世の中、負担が多すぎで、時代にそぐわない活動内容」と、仕事の多さや活動時間についての意見が多く挙がりました。
「子育て世帯においても共働きが主流となり、ここ数年で保護者の意識が急速に変わってきました。そんな中、PTAのあり方は昔と変わらず、働く母親たちの負担感を強めています」と語るのはPTAジャーナリストの大塚玲子さん。2015年に総務省が行った国勢調査によると、夫婦共働きの世帯は1980年から増加していて、2015年には64.6% と6割を占めています。
それなのに、PTAの体制はかつて専業主婦が主流だった時代と変わっていません。PTAでは平日の日中に行われる会議や、ベルマーク活動やバザーの開催など費用対効果の低い活動も多く、現代の働く母親に大きく負担がかかっています。
PTAの仕事が減らない理由

同調査では、「PTA役員の経験はございますか?」という質問に対し、「ある」と答えた人は51.1%、「ない」と答えた人は48.9%となり、ほぼ半々の割合でした。
役員を経験したことのある人からは「多様性のある家庭環境が増えてきた時代に合っていない」「必要のない委員会がある」「時代に合わない雑務が多いと感じる」などの意見が挙がり、多くの人が昔から続くPTAの体制に疑問を持っているようです。それなのになぜ、PTAは時代相応に変わっていかないのでしょうか?
大塚さんは「PTAの仕事が減らない理由は主に2つあります。ひとつは”前年通り”に仕事をすることが、もっとも手間もリスクも少なくて済むから。もうひとつは”子どものため”というPTAの目的が、漠然としすぎているからではないでしょうか」と言います。
PTAは現在、学校行事の手伝いや、講演会の企画開催、広報誌の発行、バレーボール大会の開催等々、さまざまな活動をしています。なかには「子どもには関係ないのでは?」と思う活動もありますが、「保護者が学ぶことで子供にも良い影響がある」「保護者同士で親睦を深めれば子供のための情報交換に役立つ」という意見もあり、どれもこれも削りづらくなってしまうところがあるのです。
PTAを変える新しい活動
こうしたPTAの問題を踏まえて、近年では新しいPTAのあり方を試みる学校も増えてきています。
札幌市立札苗小学校では、2013年度からPTAの強制をやめて「手挙げ方式」 へと移行しました。それにともない、広報紙の作成や廃品回収などの活動を廃止しています。
活動に参加する人が減って、一時的に本部役員の負担が増えたこともありましたが、 「やりたい」という意思がある人だけが集まるようになった結果、活動の参加率は3~4割でも問題なく組織運営ができているといいます。
PTAとは別の組織として、近年全国の学校に広まりつつあるのが「おやじの会」です。母親が主体になりがちなPTAに対して、「おやじの会」は文字通り父親が主というところが特徴です。活動内容はそれぞれの学校ごとに違いますが、学校行事やPTAの力仕事の手伝いのほか、「親子鬼ごっこ」などのイベントを開催することもあります。こちらも「やりたい人がやる」方式なので、自由に楽しくやっている人が多い傾向にあります。
「おやじの会は、おいしいところ取り」という批判もあるようですが、大塚さんは「本当はPTAだって「おやじの会」と同様に、「やりたい人が、やりたいときに、やれることを」楽しんでやるもののはず」 と語っています。
時代の変化とともに、PTAには新しい形が求められています。いまはまだ、いい形のPTAは少ないですが、ひとりひとりが当事者意識を持って、参加するのかしないのか、もしくはどんな活動をするべきなのか、を考えることが、PTAを変えていく第一歩となるのではないでしょうか。
コメント協力:大塚玲子(PTAジャーナリスト)
Information
PTAジャーナリスト 。著書に『PTAをけっこうラクにたのしくする本(太郎次郎社エディタス)』『PTAがやっぱりコワい人のための本(太郎次郎社エディタス)』がある。
大塚玲子さんの公式サイト
大塚玲子works
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