“青”と“春”はもともとセットだった!?「青春」に隠された驚きの由来

#くらし   
「青春」のイメージを定着させたのは誰?


「青春」と聞いて思い浮かぶのは、部活動に励む学生や若者が恋愛にときめく姿などさまざま。

ところで「青春」という言葉は、どのようにして生まれたのでしょうか。

鍵は古代中国の思想にあり!


4月12日放送の「チコちゃんに叱られる!」(NHK)では、「なぜ青春は『青』に『春』と書くのか」という疑問について追及。

馴染みのある言葉とはいえ、スタジオの岡村隆史さんや街頭インタビューでも正解は出てきません。

そこでチコちゃんから出てきた答えは、「春は青だと決まっているから」というものでした。

チコちゃんの言葉の真意を探るには、古代中国の「陰陽五行思想」を紐解く必要があります。

解説してくれたのは、明治大学教授の加藤徹先生。

加藤先生によると陰陽五行思想では、自然界にある全てのモノを「木・火・土・金・水」に分けているとのこと。

5つの要素にはそれぞれシンボルカラーと季節が決まっていて、「木(青・春)・火(赤・夏)・土(黄・間)・金(白・秋)・水(黒・冬)」と割り当てられています。

「青春」という言葉は色と季節を組み合わせたことで完成し、日本では奈良時代から使われるようになりました。

ただ加藤先生は「奈良時代の『青春』は、年齢が若いという意味で使われていた」と言います。

その後時代とともに「青春」には、夢に向かって“努力”することや純粋な“恋愛”などの意味が加わることに。

実は明治時代後半から“青春小説”が出てくるようになり、若者のあるべき姿を描いた作品が続々と誕生。

加藤先生は若者の迷い・不安・恋愛などを描いた夏目漱石の『三四郎』を挙げ、「青春とはこういうものなんだということを、当時の日本人が『三四郎』を通して学んだと言われています」と解説しました。

古代中国思想にまで遡る「青春」という言葉の語源に、ネット上では「春って桜のピンク色っていうイメージだったからずっと気になってました!」「陰陽五行思想が由来だったなんて全然知らなかった…」「青春って普段からよく見聞きする言葉だからこれは有益な雑学ですね」といった声が寄せられています。

陰陽五行思想と関係が深い「キトラ古墳」


【写真】方角をつかさどる“四神”って?


陰陽五行思想では方角にも色が決まっていて、「青(東)・赤(南)・黄(中央)・白(西)・黒(北)」となっています。

実は各方角をつかさどる“四神”がいて、四神で話題になったのが奈良県の「キトラ古墳」。

1983年11月に「玄武」の壁画が発見されて高い学術的価値が見出されました。

キトラ古墳がある「国営飛鳥歴史公園」の公式サイトでは、四神像の壁画について写真つきで紹介。

黒を指す北の「玄武」は鮮明にその姿を見ることができ、亀と蛇が絡まった異様な構図が目を引きます。

西の「白虎」は、虎とはいえ細身で首が長い姿が特徴。

赤色を指す「朱雀」は、今にも飛び立とうとしているような躍動的な姿が「たいへん珍しいもの」だとか。

なお東の「青龍」は2本の角や長く描かれた舌などが確認できるものの、流れ込んだ泥土で多くが隠れていました。

長い時間をかけて日常に溶け込んでいる「陰陽五行思想」。“青春”のように言葉の意味をたどってみると、面白い発見があるかもしれませんね。

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