女性特有のボディトラブルもチェック! 夏の“あるある”お悩み解消法

このかゆみは、あせも?  汗荒れ?


もうすぐ夏本番! アウトドアレジャーや海水浴など、お楽しみはいっぱい。だからこそ、夏にありがちなボディトラブルは回避したいもの。あせも、汗荒れ、膀胱炎など、これからの時期に気をつけたいトラブルの解消法を紹介します!

汗が原因で起こる「あせも」「汗荒れ」


肌にポツポツとした湿疹が現われる「あせも」と、肌表面が赤く腫れる「汗荒れ」。どちらも原因は汗。汗そのものが刺激となって起こる場合と、汗をかいた肌をこするなどしたことで炎症を引き起こしている場合があります。どちらも軽度であれば肌を清潔に保つことで改善します。保湿も大事。

【どんな症状?】

●あせも

肌に赤い湿疹ができ、かゆみを伴います。子どもに多く、汗を出す汗腺が詰まって起こるといわれています。

●汗荒れ

肌が赤く腫れ、ヒリヒリとした痛みやかゆみを伴います。大人に多く、汗のケアをすることで予防できます。

【写真を見る】実は症状にもこんなに違いが!


【起こりやすい場所は?】

汗がたまりやすい部位や、衣服や下着などで肌がこすれやすい部位に発生します。

〈CHECK! 症状が長期化する場合はカンジダが原因かも〉

炎症や痛みなどの症状が長引く場合は、皮膚や膣(ちつ)など体のさまざまな場所に存在するカンジダが繁殖して起こる皮膚炎の可能性が。早めに皮膚科へ。下記の「カンジダ膣炎」も参照にして。

こんな場所に起こりやすい!


【予防・対処法は?】

●Point 1 汗をかいたら軽く拭き取る

汗をかいたら放置せず、ハンカチなどで拭き取りましょう。ゴシゴシ拭くのは厳禁。アルコールの入った汗拭きシートは刺激となる場合があるので多用は避けて。

ゴシゴシ拭くのは禁物!


●Point 2 通気性のいい衣服を選ぶ

汗が皮膚にたまらないよう、コットン素材など通気性、速乾性にすぐれた衣服を選んで。首の詰まった服や、タイトな下着は肌に摩擦を与える原因になるので注意。

ふんわり&ゆる~っがポイント


●Point 3 入浴後の保湿は欠かさない

肌が乾燥しているとバリア機能が低下し、炎症を引き起こしやすくなります。入浴後はセラミド入りなど保湿力の高いクリームを塗って肌を保護しましょう。

保湿ケアを忘れずに!


【子どものあせも・汗荒れ対策は?】

症状が軽い場合はぬれタオルで軽く拭くだけでOK。ベビーパウダーは逆に荒れる原因になるので使用を控えて。患部をかかないように注意し、気になる場合は医師に相談を。

女性に多い夏のボディトラブル ベスト3


夏の暑さは体力を奪い、食欲や睡眠にも影響を及ぼします。注意すべきは暑さのピーク時だけでなく、初夏や夏の終わり。気温の変動に体が疲弊して、さまざまな不調の原因に。自律神経のバランスが崩れ、女性ホルモンの乱れにもつながります。女性の体はデリケート。この季節は特にいたわりましょう!

この時期はなんだかいつも調子が悪い…


【めまいや吐き気が起こる 脳貧血】

〈どんな症状?〉

血液成分が足りない「鉄欠乏性貧血」とは異なり、脳への血流が悪くなった状態。長時間立ちっぱなしでいたりすると、血液が脳まで充分に届かず、低血圧状態に。その結果、めまい、吐き気、手足のしびれ、失神などを引き起こします。

〈予防・対処法〉

症状が頻繁に出る場合は、病院で血圧を上げる薬を処方することもありますが、基本的には治療法はありません。症状が現われたら、できれば横になり、落ち着くまで休みましょう。急に立ち上がったりはしないこと。

【女性の2人に1人は経験アリ! 膀胱炎】

〈どんな症状?〉

主な症状は、残尿感や、排尿痛、頻尿。排便や性交時などに雑菌が尿道口に付着し、尿道をさかのぼって膀ぼう胱こうに入り感染し、炎症を起こした状態。免疫力が低下しているときにも発症しやすく、生活習慣とも関わりが。

〈予防・対処法〉

水分をたっぷりとり、尿とともに雑菌を排出する方法が有効。特に夏は水分不足になりがちなので、意識して摂取しましょう。病院では抗生物質による治療が一般的。1週間ほどで症状が落ち着きます。

【カビが原因でかゆみが発生! カンジダ膣炎】

〈どんな症状?〉

女性の膣内に存在する常在菌であるカンジダが増殖することで起こります。強いかゆみや、おりものの増加が主な症状。非常によくある病気で、女性の5人に1人が経験するともいわれています。

〈予防・対処法〉

病院では、錠剤や内服薬などで治療し、1 週間ほどで症状が改善。外陰部の洗い過ぎは症状を悪化させる原因になります。免疫力が低下したときに再発することも多いので、生活環境を見直すことも大切です。

〈夏に女性特有の不調が生じやすいのはナゼ?〉

汗をかきやすい高温多湿な夏は、女性のデリケートゾーンにとって実はとても過酷な環境! 清潔に保っているつもりでも蒸れやすく、かゆみなどを引き起こしやすくなります。キツい下着は避ける、生理用品はマメに替えるなど快適に過ごせる対策を。

汗をかく季節には避けて通れないボディトラブルの数々。子どもの健康だけでなく、女性特有のトラブルも発生しやすい時期だからこそ、ママも自分の体をいたわって、元気な夏を過ごしましょう!

イラスト=根津あやぼ 編集協力=彦田恵理子

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Information

教えてくれたのは:
内科医 内山明好先生
パークサイド広尾レディスクリニック理事長。一般的な内科診療のほか、アンチエイジング、肥満外来も専門分野。雑誌やテレビなどメディアでも活躍。

皮膚科医 野田真史先生
池袋駅前のだ皮膚科院長。ニューヨークのロックフェラー大学皮膚科で診療、研究の後、現職。皮膚疾患の治療から、美容医療まで、幅広く対応。


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