楽しく通っていた保育園を急に嫌がるように…【小川大介先生の子育てよろず相談室】

#育児・子育て   

Amazonでも好評価の書籍「頭のいい子の親がやっている『見守る』子育て」の著者、小川大介先生が、悩める親たちにアドバイス。「うちの子のこんなところが心配」「私の接し方、コレでいいの?」など、子育てに関するありとあらゆる悩みにお答えします。連載第15回目のお悩みはこちら。

 


【お悩み】


3歳の娘についての相談です。0歳児から保育園に通っているのですが、最近になって急に保育園に行くのを嫌がるようになりました。朝一緒に出かけるまでは問題ないのですが、保育園の入口まで来ると、ぐずり出します。なかなか部屋に入ろうとしないので、最後はいつも先生に抱っこされて入って行く始末。何か嫌なことがあるのか本人に聞いてみても、お友達や先生と特に問題があるわけではなさそうです。先生の話でも、教室の中に入ってしまえば、いつも通りに過ごしているそう。でも、入る時はとても嫌がって、なかなか私と離れようとしないので、とても心配です。ここ2週間くらい毎朝そのような状態で、後ろ髪をひかれる思いで出社しています。(Aさん・38歳)

【小川先生の回答】


■ためらうのは成長した証

以前は問題なく通えていた保育園を、急に嫌がるようになる。これは実によくあるケースです。ほとんどのお子さんが通る道といっても過言ではありません。では、なぜそのようなことが起こるかというと、それはお子さんが成長したからです。脳の発達には、3歳と5歳くらいにジャンプ期があり、3歳児で周りが見え始めると言われています。今までは自分しか見えていなかったのが、他のお友達がいたり、先生がいたりなど、“他”を意識しはじめるようになるのです。そのため、教室に入るということは、“ママとバイバイしなきゃいけない”とか、“他の子たちと一緒に過ごさなきゃいけない”など、自分のテリトリーから離れることを意味します。そこで一瞬ストレスを感じてしまい、ためらいが生じるのです。今までは、それを意識せずにいたから、何も考えずに入って行けていただけ。ためらうのは、自分以外に人がいることをわかり始めたという成長の証です。教室に入れば、気持ちも切り替わって過ごせているようなので、何の心配もいりません。

■“後退”ではなく“成長”と捉える

ちなみに、脳の発達のもうひとつの節目である5歳辺りになると、“人は自分とは違う考えを持っているようだ”とわかり始めます。だから人目が怖くなるのです。それまで人前で発表できていた子が、5歳位になると急に嫌がったり、もじもじしたり、緊張したりするようになるのは、そのためです。 “急にできなくなった”とか、“こんな子じゃなかったはずなのに”など、まるで後退したかのように捉える親御さんが多いですが、そうではありません。精神的に成熟したからこそ、周りを意識してしまい、気後れしているのです。

3歳で保育園に行くのを嫌がるようになるのも、5歳で引っ込み思案になるのも、“できなくなった”のではなく、“成長した”からこそ。「お姉ちゃんになってきたんだね」「いろいろ感じることもあるよね」と肯定的に声かけしてあげましょう。

回答者Profile

小川大介先生
小川大介

教育家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。

京都大学法学部卒業後、コーチング主体の中学受験専門プロ個別塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。著書多数。YouTubeチャンネル小川大介の「見守る子育て研究所」で情報発信中。


文=酒詰明子

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