バズる、サブスク、インフルエンサーなど、世の中にはカタカナ語が溢れています。今や、カタカナ語を使わずに会話を進めるほうが難しいくらい、日常生活において欠かせないものとなったカタカナ語。でも実は、「意味をちゃんと理解せずに使っている人が多い」と語るのは、教育専門家の小川大介先生。子どもに聞かれて困らないためにも、ビジネスシーンで恥をかかないためにも、今一度、カタカナ語を見直してみましょう。

知ってるつもりになってない? 恥をかく前に身につけたいカタカナ語力とは 画像(1/3)  

“知ってるつもり”が実はわかっていないことも

「カタカナ語が氾濫している背景には、IT技術とインターネットの発達による情報の加速化があります。海外発の技術やサービスが流入してくる速度が早まり、日本語に置き換えるより先に、英語発音が定着してしまうようになったのです。また、グローバル化が進み、外国人と交流する機会が増えたことも、英語発音をそのままカタカナ語として使う現象を後押ししていると考えられます」

いざ意味を問われると答えられなかったり、間違った使い方をしている人が多いのも、日本語に置き換えるという工程を経てないがゆえ。

「日本語での意味を吟味せず、その場の雰囲気からなんとなく理解したつもりになってしまうため、実はよくわからずに使っているケースが多いのです」


【理解しているつもりが多いカタカナ語】

実はよく意味がわかっていない人が多いカタカナ語をピックアップ。どれだけ答えられるか試してみよう。


●アプリ-特定の仕事が処理できるプログラム

●インフラ-道路や鉄道など産業や生活の基盤の総称。

●ウェブ-クモの巣、クモの巣状のもの。インターネットはワールドワイドウェブ(World Wide Web)という、世界中をクモの巣のようにつないだ情報連絡網のことで、ウェブはそれを一言で表現した言葉。

●ジャーナリスト-新聞や雑誌、テレビなどのメディアに報道用の記事や材料を提供する人。ジャーナリズムとは、メディアを通して時事問題の報道・解説・批評などを行う活動のこと。

●ジャンクフード-栄養価のつりあいを著しく書いた調理済み食品。ジャンクは『がらくた』『値打ちのないもの』の意味。

●スケルトンー骨格・がい骨。船や建造物などの骨組み。不動産用語で内部構造が見えるデザインを指すことから、『透明』という意味に勘違いしている人が多い。

●チェック-調べる。もともとチェスで『王手』を意味する『チェック』が語源。縞模様を意味する『チェック』も、チェス盤のような格子柄という意味がもと。

●バズる-蜂などがぶんぶん飛び回る様子から、ざわめき、人の噂などの意味にも使われる英単語buzzが語源。SNSなどを通じた拡散により、一躍話題となる様子。炎上とは異なり、いい意味で話題となっている際に用いられる。


中学受験でも問われるカタカナ語

カタカナ語の波は、子どもの世界にも押し寄せています。小学校の教科書をみても、カタカナ語は年々増加傾向に。

「特に理科や社会の分野で、『ユニバーサルデザイン』『ダイバーシティ』『ナノテクノロジー』など、現代的なカタカナ用語が多く登場しています。それに伴い、中学受験においてもカタカナ語に関する出題が多くみられるようになってきました。中学受験では、“社会への関心”を問うために時事問題が出されることが多いのですが、世の中を説明する言葉にカタカナ語が増えたことにより、必然的にカタカナ語の語彙力も問われるようになったのです」


そんな風潮を受け、“楽しく知識が身につく”と子どもたちから絶大な人気を集めるドラえもんの学習シリーズにも、カタカナ語を学べる本が仲間入り。中学受験指導のプロとして、多くの難関校に生徒を輩出してきた小川先生が、その指導に携わっています。

「長年の指導経験に基づき、今の小学生、中学生が理解しておいて欲しい言葉を集めました。日常生活でついわかった気になりそうな言葉や、親世代も意外に理解していないであろう言葉、また知っておくと文章理解に役立つ言葉を選んでいます。結果的に、難関中学が過去に出題した言葉も数多く含まれていますよ」


カタカナ語が国語力を伸ばす

最難関校である灘中学の入試では、『ハーモニー』や『レポート』などのカタカナ語を、漢字の熟語で表現させる問題が出されたことも。(答えは『調和』『報告』)。実は、このカタカナ語を日本語に変換する作業こそが、国語力を高めるのに役立つといいます。

「カタカナ語を日本語に置き換えてみると、曖昧だった言葉の意味が明確になったと感じることでしょう。それは、表意文字である漢字によって、意味がより強く意識されたためです。意味を意識することで、言葉への理解が一歩深まります。また、カタカナ語を日本語に置き換えてみると、意外に難しいことにも気づくでしょう。なぜ難しいのかというと、それは異なる歴史と文化を持った人々が使ってきた言葉だからです。つまり、カタカナ語と向き合うということは、他国の文化や価値観に気づきながら、改めて日本語を見つめ直すことなのです。そのためカタカナ語を学ぶと、言葉の背景も含めたより広く深い理解が得られるようになり、国語力が豊かになります」


前述した小川先生指導によるカタカナ本『ドラえもんの学習シリーズ ドラえもんの国語おもしろ攻略 国語力をきたえるカタカナ語』では、4コマ漫画を通して、カタカナ語を楽しく学べます。

「言葉の意味が生きるように、ひとつひとつのストーリーを作り上げています。理解を深めるコツは“楽しむ”こと。まずはドラえもんとのび太と共に、お話を楽しんでください。また、親子でクイズを出しあうのもおすすめです。索引を活用して言葉の意味クイズを作ったり、4コマ漫画のストーリーをネタにするのも盛り上がると思いますよ。巻末の『まだまだあるカタカナ語』もぜひ活用してください。こちらには本編より少しだけ大人な言葉が多く含まれているので、中学生以上の文章を読むときに生きてきますよ」

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(C)藤子プロ・小学館


Profile

小川大介

教育専門家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。

京都大学法学部卒業後、中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1を創設。教科指導スキルに、子育てコーチング、学習タイプ別の指導術を組み合わせ、短期間の成績向上ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。『頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て』など著書多数。