Amazonでも好評価の書籍「頭のいい子の親がやっている『見守る』子育て」の著者、小川大介先生が、悩める親たちにアドバイス。「うちの子のこんなところが心配」「私の接し方、コレでいいの?」など、子育てに関するありとあらゆる悩みにお答えします。連載第23回目のお悩みはこちら。

嫌なことがあっても話さない娘。親はどれくらい見守るべき?【小川大介先生の子育てよろず相談室】 画像(1/1)  

【お悩み】

5歳の娘は、楽しいことは話すけど、嫌なことは何があっても話してくれません。先日も、娘を幼稚園に迎えに行くと洋服が泥で汚れていたため、どうしたのか聞いたところ、「転んだ」とのこと。でも、泣きそうな様子だったので気になって「本当に?」としつこく聞いてしまいました。それでもかたくなに「転んだ」と言い張っていたのですが、後から先生に、実はお友達からいたずらでつけられてしまったとことを聞きました。こちらから追及するのもよくないと思って様子をみましたが、結局娘からは話してくれず、いつものように「何か嫌なことがあったら話してね」と言うことしかできませんでした。

思い返すと、私自身も小さい頃何か嫌なことがあっても親に言うことができませんでした。優しい親で味方になってくれ「いつでも話を聞くよ」というスタンスだったにも関わらずです。理由を考えてみましたが、恥ずかしいのと、おおごとにしたくないという気持ちがあったからだと思います。今はまだ幼稚園ですが、成長していくにつれ人間関係や問題が複雑化していきます。いじめにあった時、孤立して辛い時、相談してくれて力になれる親でありたいと思うのですが、このまま見守るという姿勢でいいのか、突っ込んで尋ねてしまっていいのかわかりません。子どもの異変に気づけるような自信もなくて、これからの子育てが不安です。(Yさん・38歳)


【小川先生の回答】


■深刻になり過ぎず、あっさりと聞く


お母さん自身が、子どもの頃に嫌なことがあっても、親御さんに気持ちを出せなかったという逆張りで、全部聞いてあげようとがんばり過ぎている気がします。話をする時も、本当に真剣に心配そうに聞いているんだと思いますが、お子さんにとっては、それが少し重たく感じてしまうのではないでしょうか。お母さんが心配そうに聞いてくればくるほど、おそらくお子さんは、“親に心配をかける”ことが“親に負担をかけている”ことだと思ってしまうのです。そのため心配かけたくなくて言えなくなってしまう、優しい子なんだと思います。だからお母さんは、まず深刻になり過ぎないこと。そもそも、何かあった時にも、本当に深刻な顔で聞いてくるより、あっけらかんと聞き流してくれるような人のほうが、話しやすかったりするものです。あっさりと「どうした?」「何かあった?」くらいな感じで聞いてみてください。また、面と向かってガッツリお見合い状態だとお子さんも気持ちが出しにくいので、横に座ってほっぺをすりすりしながらとか、後ろから抱っこしながら話を聞いてあげるのがおすすめです。


■子どもから信用してもらうには、まず自分が子どもを信用してあげる


聞き方のコツとしては、 “心配してます”感を全面に出さず、意識的に“大丈夫”という言葉を増やすこと。「汚れがついちゃったのはちょっと嫌だったけど、怪我はしなくて大丈夫だったね」というふうに、何があるかはわかっているけど、「あなたが本当に辛いというわけではないなら、“大丈夫”ってことでいいよ」と子どもの判断を信用してあげるのです。それともうひとつ、“失敗”という単語で理解するのをやめて、“経験”というふうに捉えてあげましょう。お友達に嫌なことをされた時も、「それをされて嫌だったよね、自分はしないでおこうね」というように、うまくいかなかったことや、思い通りにならなかったことも、その経験を次に活かしていく、自分の糧にしていくような関わり方をしていくのです。そうすれば、嫌なこと、マイナスなこともプラスに捉えられるようになり、話しやすくなると思います。

そして何も喋ってくれない時は、「今は喋る時じゃなかったか。じゃあまた今度」であっさり終わらせるのもコツです。「常に聞く気持ちはあるよ」ってことだけ渡しつつ、あとは子どもを信用して任せるというスタンスで関わること。大切なのはお子さんを信じてあげることです。お母さんが信じてあげれば、お子さんもお母さんを信用して、本当にしんどい時には話をしてくれるようになると思いますよ。


回答者Profile

小川大介

教育専門家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』(https://www.e-juken.jp)主任相談員。

京都大学法学部卒業後、中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1を創設。教科指導スキルに、子育てコーチング、学習タイプ別の指導術を組み合わせ、短期間の成績向上ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。著書多数。